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新聞雑誌の定期配信が充実

シャープの電子書籍端末「GALAPAGOS」12月10日に発売

2010年11月29日 11時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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メディアタブレット「GALAPAGOS」

メディアタブレット「GALAPAGOS」(5.5型 EB-W51GJ-S) 撮影:高野裕靖、写真提供:週刊アスキー

 シャープは29日、電子書籍端末「GALAPAGOS」(ガラパゴス)を12月10日に発売すると発表した。9月の発表どおり、端末は5.5型と10.8型の2種類。本体発売と同時に、電子ブックストアサービス「TSUTAYA GALAPAGOS」をサービス開始することも発表された。

 GALAPAGOSはタッチスクリーンを搭載するタブレット型電子書籍端末で、シャープではこれを「メディアタブレット」と称している。ディスプレーはLEDバックライトの液晶パネルを採用し、5.5型/1024×600ドットディスプレーの「モバイルモデル」(EB-W51GJ-R、-S)と、10.8型/1366×800ドットディスプレーの「ホームモデル」(EB-WX1GJ-B)の2サイズ、3機種がラインナップされる。

モバイルモデルの前面

モバイルモデルの前面。ディスプレーの下側中央に小型トラックボールがあり、左に「戻る」、右にホームボタンを配置

モバイルモデルの背面

モバイルモデルの背面。上部にヘッドホン端子、下部にmini USBポートがある。microSDカードスロットは本体下部にあり、カバーで隠れている

ホームモデルの前面

ホームモデルの前面。10.8型ディスプレーを強調したシンプルなデザイン

 モバイルモデルは携帯しての使用、ホームモデルは家庭内での使用を想定している。重さとバッテリー駆動時間は、モバイルモデルが約220gで約7時間、ホームモデルが約765gで約10.5時間とされている。両機種ともパソコン接続用のmini USBポートとヘッドホン出力、microSD/SDHCメモリーカードスロットを備える。

無線LANとプッシュ機能で新聞や雑誌を自動配信!

5.5型の「デスク」画面

コンテンツは書籍だけでなく、雑誌や新聞を重視しているのもGALAPAGOSの大きな特徴。雑誌や新聞は最新号を単品販売するだけでなく、半年単位での定期購読も可能。配信日に自動で端末にダウンロードされる

 GALAPAGOSは他社の電子書籍端末やiPadと異なり、プッシュ型のコンテンツ提供サービスを重視しているのが特徴である。本体に無線LAN機能(IEEE 802.11b/g対応)を内蔵し、新聞や雑誌コンテンツの定期配信を自動で受け取る機能を備えている。定期配信の新聞・雑誌は、端末がインターネットにつながっていれば自動で発刊日に配信される。また配信機能を利用し、おすすめ書籍の無料体験版やチラシ/広告の配信も行なわれる予定だ。

 新聞・雑誌コンテンツも幅広く取りそろえている。新聞では「日本経済新聞 電子版」や「Mainichi iTimes」「西日本新聞 超特Q」などを揃えたほか、「週刊ダイヤモンド Digital」「日経ビジネス」「週刊東洋経済」「週刊エコノミスト」「PRESIDENT」といった主要な経済誌の電子版も用意。そのほかにも一般誌からファッション誌、専門誌などの配信が予定されている。新聞は定期購読のみだが、雑誌は単品購入と定期購読(半年単位)の2種類が用意される。

日本経済新聞 電子版のサンプル画面

日本経済新聞 電子版のサンプル画面。既存のPCサイト用日経電子版のユーザーなら、追加料金なしで利用できるとのこと

書籍のサンプル画面

書籍のサンプル画面。雑誌の場合は動画の埋め込みも可能

 書籍については20ジャンルの合計2万冊程度をスタート時点で用意。ベストセラーになった「もし高校野球部の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」や、芥川賞作家の平野啓一郎氏の新刊といった話題作も販売される。書籍だけでなく、マンガのラインナップも予定されている。

タッチパネル操作、コンテンツはmicroSDカードに記録

 GALAPAGOSは前述のとおり、マルチタッチ対応のタッチパネルディスプレーを搭載しており、タッチ操作でのページ送りや拡大縮小ができる。コンテンツによっては、レイアウトを維持したままテキストだけを拡大することも可能だ。動画や音声といったリッチコンテンツを含んだ書籍雑誌の閲覧もできる。

 ページにマーカーやしおりを付ける機能も備える。また、内蔵辞書と連携して、選択した語句の意味を検索する機能も備える。収録する辞書は「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和MX」「ジーニアス和英MX」の3種類。

辞書機能やマークを加える機能も用意

単語を選んで辞書を検索する機能や、テキストにマークを加える機能も用意

 対応フォーマットはXMDF、PDF、テキストなど。PDFとテキストについては、専用のWindows用アプリケーション「GALAPAGOS Station」を使って、パソコンから端末側に転送する。パソコン側では、端末でダウンロードしたコンテンツのバックアップや管理が可能なほか、パソコン側でのコンテンツ購入、試し読みも可能となっている。ただし、配信される書籍雑誌全文は、パソコン上では閲覧できない。さらに、Windows用アプリケーションにはプリンタードライバーとして登録される変換ソフトも含まれており、PowerPointのデータや画像をプリンタに印刷する操作で端末側に転送可能なXMDF形式に変換することも可能という。

 本体の初回使用時にはユーザーアカウントを作成し、書籍雑誌のデータはユーザーIDに紐づけて管理される。ひとつのユーザーIDに複数台の端末を登録することもできる(台数は3~5台程度の予定)。ダウンロードした書籍のデータは、microSD/SDHCカード(本体に8GB品が1枚付属)に収録され、同じユーザーIDの端末間であれば、microSDカードに収録されたコンテンツの共用も可能である。8GBのmicroSDカード1枚で、新聞なら約1年分、月刊誌なら約3年分、書籍は約1万冊以上を収録可能という。

 端末のOSはLinuxベースで、Flash Lite 4対応のウェブブラウザー機能も搭載。書籍雑誌の感想を投稿できるように、Twitterクライアント「twit SH」やmixi専用アプリ「mixi for SH」も搭載する。携帯電話向けFlashゲームをベースにした、ゲームパックもプレインストールされている。

端末販売は直販が基本

 GALAPAGOSの販売は一般的な家電やパソコンとは異なり、直販方式で行なわれる。申し込みはシャープの直販サイトか郵送が基本となる。家電量販店等でも店頭での展示は行なわれ、購入申し込みもできるようだが、その場で商品を受け取れるわけではないようだ。

 気になる価格は、モバイルモデルが3万9800円、ホームモデルが5万4800円。12月3日から予約を受け付け開始の予定。なお、電子ブックストアサービスの詳細や発表会の模様は、別途レポートの予定である。

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