残念ながらメロンインテは早々にリタイヤ
問題はこのあと。メロン号はデイリタイヤ、つまり土曜日のデイ1から撤退した扱いとなっていて、規定時間内にトランスミッションの修復ができたなら、明日のデイ2から再出走することができる。現状の全日本ラリー選手権のルールでは、再出走してもポイントは付かずリタイヤのままだけど、せっかく会場まで足を運んでもらった観客の皆さんに元気に走っているメロン号を見てもらうことができるのだ。
ということで、手分けして交換用ミッションの手配を進めたが、これがなかなか見つからない。ようやく見つけたミッションは、インテグラ用ではあったが形式の違うSIR用のノーマルミッションで、LSDが装着されていないもの。これがタイプR用なら、ノーマルでもLSD(差動制限デフ装置)が組み込まれているんだが……。ミッションのギヤはノーマルでもいい、しかしLSDが組み込まれてないと、ちょっとした砂地でもスタックしてしまう危険がある。グラベルステージを走るにあたって、絶対に欠くことができないパーツなのだ。
ゆっくりでもいいからデイ2を走行して、お客さんにメロン号を見てもらうか。それとも、このままイベントからの撤退を選択するか。悩みに悩んだ末に、筆者が出した結論は……イベントからの撤退だった。
東北地方初お目見えとなった今回、多くのお客さんにメロン号の走っている姿を見てもらいたい。だが、現在のマシンの状態では、たとえ再出走したとしても途中でストップする可能性が高く、またそれ以上にクルーの安全も保障できないのだ。もし何らかの事態が生じた場合、他のチームや主催者だけでなく、このイベントを楽しみにして会場まで来られた多くのお客さんにも迷惑をかけることになってしまう。それだけは絶対に避けなければならなかった。
メロンブックス・ラリーチャレンジ"チーム2010"の最後のイベント参戦は、こうしてSS2で幕を閉じた。冒頭で説明したとおり、リタイヤしてもシリーズ6位以内に入るのは間違いない。ただし、2位~6位のポイント差が小さいために、今回のイベントの結果しだいでシリーズ2位以下の順位の大きな変動もありえるのだ。シリーズ3位の「田中伸幸/遠山由美子組ミラージュ」はSS1でリタイヤしたから良いとして、問題はシリーズ4位の「高橋悟志/箕作裕子組ミツバレビン」、シリーズ5位の「若槻幸治郎/露木明浩組NRSパルサー」が、このイベントでそれぞれ何位に入ってくるか。彼らの順位によっては、このままメロン号のシリーズ2位が確定する!
(次ページへ続く)
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