iPhoneで購入するとどうなる?
映画のダウンロードは、iOSデバイス側の「iTunes」でも可能だ。3G回線は利用できないため、Wi-Fi環境が必須となるが、OS XのiTunesを利用する場合と変わりはない。もちろん、レンタル/購入どちらにも対応している。
ただし、iOSデバイス側でレンタルした映画は、OS XのiTunesに移動できない(「iTunes Store:レンタルムービーに関してよくお問い合わせいただく質問 (FAQ)」参照)。そもそもOS X用iTunesの「デバイス」にある「ムービー」タブにiPhone側でダウンロードした映画が表示されないため、移動の対象にすらならない。「デバイス」の下にある「レンタルした項目」には表示されているので、「OS X(Windows)側でダウンロードした映画はiOSデバイスでも鑑賞できるが、iOSデバイスでダウンロードした映画はOS X(Windows)で鑑賞できない」ように処理されていると考えられる。
iOS上のどの領域に保存される?
OS X用フリーウェア「iPhone Explorer」を利用すると、Dockケーブルで接続したiOSデバイスのファイルシステムをブラウズすることができる。システム領域の一部はブラウズできないが、iTunes Storeでレンタル/購入した映画は確認可能だ。
iPhone側のiTunesでレンタルした映画がどの領域に保存されているかを調べたところ、/Media/Purchases
ディレクトリーにあることを確認した。内容は映画本体(M4Vファイル)とカバー画像(JPEG)、出演者などの情報が記載されたPLISTファイル(*.plist)の3点だ。なお、JPEGとPLISTファイルはOS Xへコピーできたが、M4Vファイルは再生できなかった。正確にいうと、iTunesには登録できたが、再生ボタンをクリックしても再生が始まらなかったのだ。
OS XのiTunes側からiOS機器に移動させた映画の場合は、iTunesライブラリー内に置かれる。ディレクトリーは /iTunes_Control/Music
以下の任意のディレクトリー(F**)で、カバー画像は同じディレクトリーに確認できなかった。なお、こちらのディレクトリーに置かれたM4Vファイルもコピーし再生してみたが、失敗した。当然予想できたことだが、iTunes以外のツールを利用した映画のコピー/移動はできないものと理解したい。
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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