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独自開発のサーモサイフォン冷却機構を採用

冷媒の気化熱でCPUを冷やす日立の新HA8000シリーズ

2010年11月16日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 11月15日、日立製作所はx86サーバーである日立アドバンストサーバ「HA8000シリーズ」を強化した。

日立アドバンストサーバ「HA8000シリーズ/RS220」

 まず2ソケットのラックマウント型サーバーである「HA8000/RS220」において、最上位のデュアルコアプロセッサー「XeonプロセッサーX5680」を採用。また、SSD採用の機種を従来のHA8000/RS220から4プロセッサーモデル「HA8000/RS440」、2プロセッサーモデル「HA8000/RS210、TS20」まで拡大した。あわせてRAIDボードの機能を強化し、SSDのデータ参照処理を調整することで高速化を実現するFastPathや1つのSSDをキャッシュ専用に用いることでデータ参照を効率化するCacheCodeなどの機能を搭載。データ参照速度を大幅に向上させた。さらに更新データのみを内蔵HDDに保存するRecovery機能を追加することで、障害時の復旧スピードを短縮化する。

 最大の強化点はHA8000/RS220に搭載される「サーモサイフォン冷却機構」。従来のヒートシンクやヒートパイプなどのCPU冷却と異なり、冷媒の入った器をCPUに被せることで効率的に冷却を行なう。冷媒がCPUの熱で温められ、気化する際に発生する熱を利用して冷却する。熱せられた気体はラジエーター側の冷却ファンにより再度冷やされ、ポンプを利用せず、CPU側に流れるという。同社がモジュラー型データセンターの冷却に用いている冷媒自然循環システムをCPUの冷却に応用したものといえる。

サーモサイフォン冷却機構の仕組み(イメージ図)

サーバー内のサーモサイフォン冷却機構

 さらに「HA8000/RS220、RS210、TS20」においてはユーザーが設定した上限値にあわせて電力を制御する「動的パワーキャッピング機能」を搭載したほか、低電圧メモリ、高効率電源、SSDなどの省電力パーツの採用を拡大。省エネに配慮した製品となっている。

 価格はXeonプロセッサーX5680搭載のHA8000/RS220が78万1200円(税込)から、Xeonプロセッサー X3480搭載のHA8000/RS110が35万8050円(税込)から。出荷は11月30日からとなっている。

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