Aqua SKKの導入と基本テク
前述したとおり、SKKは”一見さんお断わり”的な独自ルールを持つ入力システムだ。しかし誰もが最初は初心者、試行錯誤を重ねて上達していくもの……。この記事も本来であれば、体系的な使い方を解説すべきなのだろうが、それには紙幅が足りなさすぎる。というわけで、ここでは筆者の経験に基づいた基本テクをいくつかピックアップしてみよう。
まずはモードのトグルを覚える
SKKには、「ひらがな」と「カタカナ」、「半角カナ」と「全角英数」、そして「ASCII」という5つの入力モードが存在する。Snow Leopardの流儀に従い、[Command]キーを押し続けながら[SPACE]キーを数回押すという方法も利用できるが、ぜひSKKらしいモード切り替え術をマスターしておこう。
モードのトグルに使うキー | |
---|---|
利用キー | 機能概要 |
q |
「かな」と「カナ」モード間をトグル |
l |
「かな」または「カナ」から「アスキー」モードへ |
L |
「かな」または「カナ」から「全英」モードへ |
C-j |
「アスキー」または「全英」から「かな」モード |
[SHIFT]キーの多用に留意すべし
SKKでは、[Shift]キーの利用頻度がとても高い。なぜなら、最初にタイプされた文字が英大文字ならば変換対象に、英小文字ならばかな/カナを直接入力、というルールがあるからだ。
例を挙げて説明してみよう。「版」と入力したいときには、かな/カナモードで「Hann
」とタイプし、変換キーの[SPACE]キーを押す。「hann
」では「はん」と直接ひらがなで入力されてしまい、変換対象であることを示す「▽」が表示されないはずだ。
送りがながある場合
一般的な日本語IMでは、「新しい」という単語を得たいときには「あたらしい」と(ローマ字で)入力して変換するが、SKKではそうはいかない。送りがなのような活用がある場合は、再び大文字を入力しなければならないのだ。つまり、「新しい」は「AtaraShii
」と入力しなければならず、「Atarashii
」では該当する単語が見つからず辞書登録モード(単語を入力して確定すれば自動登録される)になってしまうはずだ。
基本はかなモード
ひらがなは「かな」で、カタカナは「カナ」、英字は「ASCII」と、SKKでは文字に応じたモードで入力することが基本だが、いちいちモード間を行ったり来たりするのはいかにも効率が悪い。そこでお勧めしたいのが、ひらがなモードを基本として、カナとASCIIにうまく振りわけるテクニックだ。
カナを入力する場合は、かなモードで入力しておき、単語の末尾で「q
」を押す。「アスキー」と入力する場合は、「▽あすきー」と入力した末尾で「q
」を押せばいい。
アルファベットを入力する場合は、先頭で「/
」を押す。すると、モードを意味する記号は「▽」に変化するが、以後タイプする文字はアルファベットになるはずだ。
「z」で始まる記号入力
もうひとつ覚えておきたい基本ワザが「z
」から初まる記号入力法だ。「zh
」や「zj
」で矢印を入力する方法は、Google日本語入力にも採用されるなどSKKだけに留まらないテクであるだけに、覚えておいて損はない。
「z」から入力できる記号類 | |
---|---|
入力キー | 表示される記号 |
zスペース |
全角スペース |
zh |
← |
zj |
↓ |
zk |
↑ |
zl |
→ |
z, |
‥ |
z. |
… |
z/ |
・ |
z- |
~ |
z[ |
『 |
z] |
』 |
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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