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どれが安心? 違いがわかるセキュリティーソフト特集 2011年版 第5回

有料or無料? 1年or3年? セキュリティーソフトの選び方

2010年11月05日 12時00分更新

文● 池田圭一

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 最近では数分に1本どころか、数秒に1本の割合で新たなマルウェアが生まれているという。ウェブサービスの脆弱性がニュースになるのも珍しくなく、個人情報の漏洩事件もあとを絶たない。巧妙かつ多様な攻撃に対抗するためセキュリティーソフト側も機能を増やし、強力なディフェンス網を張る。

 今回の特集では代表的なセキュリティーソフト4本を紹介してきたが、ネットに存在する危機からパソコンや情報を守る防衛側もまた、数を増やしている。さまざまなセキュリティーソフトのうち、どれを使えばよいのだろうか?

 セキュリティーソフト特集の最終回では、セキュリティーソフトを選ぶ際のコツと、無料・低価格セキュリティーソフトをまとめて紹介する。

選択肢その1 1年版か? 3年版か?

 ほとんどのセキュリティーソフトは、最新マルウェアに対応するためのサポート期間をインストール後1年間としている。サポート期間が過ぎてもソフト自体は使い続けられるのだが、最新シグネチャのダウンロードや、クラウドへの接続を続けたければ、更新料が必要になる。

 そこで注意したいのが、更新期間中に享受できるサービス内容の違いだ。延長したサポート期間中に、2011年版→2012年版のようにソフトウェア本体のアップグレードが可能なのか、それとも、シグネチャ/クラウド接続のみが可能なのかを確認しておきたい。なお製品によっては、導入後の使用期間を1ヵ月とし、低コストで月単位の更新を繰り返せる販売形態をとるものや、初年度分を購入すれば、更新料が不要で永続的に使えるものもある。

 比較的高額なセキュリティーソフトでは、最初から利用期間を2年ないしは3年間に設定した製品を用意することもある。この場合、シグネチャの更新サポートだけでなく、期間内の無償アップグレードに対応することが多く、1年ごとに新しい年度のものを購入したり更新を繰り返したりするよりも、期間内の総コストを安価に抑えられる。

 「1本のセキュリティーソフトを最低でも3年は使う」と決めているのなら、単純に月単価の安い3年版を求めればいいのだが、そこには若干のリスクもある。現在は、大手ソフトメーカーだからといって経営状況がよいとは限らず、急に事業から撤退する可能性がないとはいえない。また、IT業界においての3年間は長く、その間、ネットの世界がどのように変化するのか推測するのは難しい。3年の間に、より安価で画期的なセキュリティーソフトが登場するかも知れないからだ。

 最低でも年に1度は、日頃使っているパソコンのセキュリティーについて、運用面も含めてじっくり見直すことを勧める。各社の次年度版が出揃った今の時期なら比較もしやすいし、この時期を狙って「乗り換えキャンペーン」なども実施される。年に1回の更新ならばそれほど手間でもないのだから、1年版と3年版なら、1年版を求めるのがお勧めである。

低価格・そのほかのセキュリティーソフト一覧

PC Tools Internet Security 2011

発売元:PC Tools
対応OS:Windows 7/Vista SP1/XP SP2以降
価格(同社直販サイト価格)
ダウンロード1年版:4980円
同2年版:9960円
(キャンペーン価格7968円)

3台まで導入可能。

メインウインドウ

「PC Tools Internet Security 2011」のメインウインドウ。機能がシンプルにまとまっている

 PC Tools社の総合セキュリティーソフト。多彩な機能を集約しており、海外では高く評価されている。国内販売が最近始まったばかりのため、日本での知名度は低い。日本語化されているが、まだ不十分な点がある。

アンチスパム機能を持つなど機能も充実

マルウェア対策だけでなく、アンチスパム機能を持つなど機能も充実

検出率は高い

スキャン時にはかなりCPU負荷が高くなるものの、検出率は高い


ESET Smart Security 4 (amazonで購入

発売元:ESET/EC studio
対応OS:Windows 7/Vista/XP
価格(同社直販サイト価格)
ダウンロード1年版:4200円
同3年版:8826円

1台まで導入可能。

 「NOD32」で知られたESET社の製品、以前はキヤノンITソリューションズが扱っていたため、企業や官公庁で多くの導入実績がある。1台で使うのなら比較的安価な総合セキュリティーソフト。

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