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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第57回

ジャケットスタイルの「Let'snote J」その実力は?

2010年10月21日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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サイズは小さくなったが操作性はさほど変わらず

 Let'snote J9は、10.1型ながらワイドXGA(1366×768ドット)のディスプレーを採用している。最近ネットブックなどでも採用が進んでいるサイズだが、Let'snoteらしくノングレアタイプであることには好感を持つ。

 ドットピッチは少々小さめではあるが、これまで10インチクラスのノートを使っていた人ならば、さほど大きな違和感を感じることはないだろう。逆に、Let'snoteRなど4:3タイプの10インチクラスが限界と感じていた人には勧めづらい精細さでもある。

 ディスプレーがワイドタイプになったからか、本体サイズは奥行き方向に若干小さくなった。ジャケットがない場合、旧Rシリーズに比べ約10mm小さい、170mm程度になる。ただしジャケットをつけた場合には、この差はなくなる。

 縦が小さくなった分、割を食った格好なのがキーボードである。縦方向に若干狭くなっているのだ。キートップは従来までの一般的なタイプから、より平坦だが、キーの周囲を削り落としたような構造になっている。いわゆるアイソレーションタイプとは異なるもので、構造的には従来のキーボードに近い。キートップ形状が、よりミスタイプしづらいものへと変わった、といったところだろうか。この形状を、パナソニックは「リーフ型キーボード」と呼んでいる。

キーボードサイズは縦に狭くなったが、タッチ感も悪くなく、操作感はさほど落ちていない

 タイプ感は悪くない。正直快適とは言いかねるが、このサイズならば十分納得できるレベルだろう。「押した」感よりも「押した際の音の小ささ」や「確実なタイプ」を重視した構造と感じる。サイズが小さくなっているにもかかわらず、キーサイズがほぼ均一で歪みがない。[Tab]キーなどもしっかりしたサイズであることは評価できる。

 円形のホイールパッドは健在だ。タッチパッド面が狭い、という印象はほかのLet'snoteと同様だが、圧倒的なスクロールのしやすさという美点もあるので、この辺は善し悪しといったところだろうか。

 インターフェースの面では、時代を反映してか、ついにPCカードスロットがなくなっている。だが業務用途をのぞくと、致命的な問題ではなかろう。むしろ新たにHDMI端子が搭載されたことの方が、今後のことを考えるとうれしい。

性能では劣るが「低価格」は魅力
問題は「デザイン」!?

 冒頭で述べたように、今回試用したのはスタンダードモデルだ。このモデルは下位機種といえるもので、CPUはCore i3-370M(2.40GHz)、ストレージには160GBのHDDを採用している。それに比べて「ハイパフォーマンスモデル」では、Core i5-460M(2.53GHz)にストレージはSSD 128GBだから、相当に性能は異なる。

 特に大きいのはSSDだ。Let'snote J9では、起動時間を最適化して高速化する「クイックブートマネージャー」が搭載されている。ハイパフォーマンスモデルであれば、従来機種「Let'snote R9」に比べて、約2倍の速度で起動するようになる、とのことだ。

クイックブートマネージャー

起動速度を改善する機能を持つ「クイックブートマネージャー」

 しかしHDDを使ったスタンダードモデルでは、HDDの読み込み速度がネックとなり、そこまでの差は感じない。クイックブートマネージャーで最適化を行なっても、起動速度は1分10秒が1分になった程度で、最大10秒弱しか変化がなかった。

 Core i3だとはいえ、一般的なビジネスアプリケーションであれば、さほど遅いとは感じない。Windowsエクスペリエンスインデックス値は「3.4」。グラフィック面が足を引っ張ってのものだが、ビジネスアプリケーション中心なら問題はあるまい。Core i世代においてWindows 7は、パフォーマンス的に十分「枯れた」存在になりつつある。

Windowsエクスペリエンスインデックスの値

Windowsエクスペリエンスインデックスの値

 SSDでないことは残念だが、こちらも速度面で致命的というほどの差はない。スタンダードモデルの良さは、Let'snoteでありながら実売価格が12万円、という安さである。そのせいか、ボディに多少安っぽさが漂う部分もあるが、納得しうるレベルだろう。

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