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KARAREMICHi iPhone REPORT 第3回

30周年を迎えたパックマンの可能性

2010年10月15日 17時00分更新

文● 倉西誠一(@kararemichi

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ケータイかiPhoneか、そんな段階に入っている

 ここでAppBank編集長/宮下泰明君が登場。山田大輔さんとの対談がスタートした。

宮下泰明君(以下、宮下) こんにちは、AppBankの宮下です。昨日は名古屋でイベントをやっていまして、今日そのまま来ました。

AppBank編集長/宮下泰明君が登場。山田大輔さんとの対談がスタート

山田 まず最初にお聞きしたいのですが、この2年間記事を書かれてきて、iPhoneは変わってきましたか?

宮下 確実に変わっています。最初は、iPhoneはガジェット好き、デジタルグッズ好き、そしてApple好きだけのものでした。いわゆるオタク層です。今ではもっと一般的なものになりました。たとえば、去年は電車に乗ったときに見かけるiPhoneを使っている人の割合は、1車両に2台くらいの感覚だったのですが、それが最近は5台くらいに増えています。もうケータイかiPhoneかというレベルになっていると感じています。

山田 持っている人の層が変わって、その量、数も増えてきましたね。2年前は、社内で「iPhoneをやりたい」と言っても、「何それ? ハヤるの?」という反応でした。でも最近は「山田さん、僕、iPhoneやりたいんですけど」と開発スタッフが言ってきますもん。モテようと思って。

宮下 モテると思って?

山田 そうです。3Gのころは、まだここまで大きな流行にはなっていなかったですよね。なので、そんな話はなかったのですが、今は家庭用ゲーム機のチームからも、フューチャーフォン(従来の携帯電話を高機能化させたもの)のチームからも話がきます。さらに、女性のスタッフからも同じことを言われるようになりましたね。最初は、いわゆるギーグ、オタク向けだったのに、女性からも企画が上がってくるようになったんです。

宮下 なるほど。アプリの話ですが、アメリカでは売れるアプリの傾向が似ているのですが、日本は違いますね。革新的な面などが評価されるのではなく、軽いとか、ちょっとアカ抜けているとかが評価されている気がします。最近大手の、ゲームメーカーさんではなくてトヨタさんとか、そういうところがきてますよね。そうやって(プロモーションにiPhoneアプリが使われるようになって)、ちょっとおもしろい感じのアプリが出てくるようになりました。

山田 とにかく最近は一般メディアでのウケ方が違いますね。

宮下 今は、たとえばネットでフラッシュコンテンツを作るよりも、iPhoneアプリを作った方が絶対に(プロモーションとして)効果的だと思います。

山田 プロモーション的なアプリの使い方は、この半年でずいぶん増えてますね。僕は、そういった”ゲームゲーム”していないものも個人的には好きです。もっと自由に、アプリにゲームを絡ませるくらいでいいんじゃないのかと思うんですよ。

「太鼓の達人」海外展開ブレインストーミング?

宮下 ゲームの話をしましょうか。

山田 そうですね。ゲームもちょっと変わってきているんですね。視点をすごく変えなければならなくなりました。たとえばバンダイナムコゲームスだったら「エースコンバットを家庭用と同じクオリティで出します」というと、それで喜んでいただける方は、今は限られているんじゃないかと思っているんです。よく言うのですが、PSPやDSはゲームをプレイすることが目的で買われるものですが、iPhoneは違います。電話としてだったり、音楽を聴くものだったりする、つまりゲームを目的としない人たちが多いわけですから、当然、好まれるアプリも違います。

ACE COMBAT Xi Skies of Incursion
作者 ナムコ 価格600円
ファイル容量139MB カテゴリゲーム
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.0以降

「視点をすごく変えなければならなくなった」と山田さん

宮下 iPhoneのゲームということで考えると、コンテンツをいかに割り切るかということが重要ですね。プレイ感はどうだろう? ということも大事で、(移植タイトルでも)iPhoneのためにできているかどうかが問題になると思います。

山田 (1回のプレイ時間は)もって5分っていいますもんね。

宮下 その最たるものが「Coin Dozer」です。アーケードによくあるヤツですが、ただコインをどんどん入れて、どんどん景品を落としていく。ただそれだけで、すごくウケています。また、「i刺身」というアプリは、刺し盛りのパックにたんぽぽ(菊)を載せていくだけなんです。それだけです。プレイしているというよりも、ただ時間が経っていくだけのゲームなのですが、そうじゃなきゃわからない、そんな程度じゃないとプレイできないというユーザーも多いのです。

Coin Dozer
作者 Game Circus 価格無料
ファイル容量18.6MB カテゴリゲーム
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.0以降
i刺身
作者 RucKyGAMES 価格350円
ファイル容量3.3MB カテゴリエンターテインメント
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 2.2.1以降
i刺身LITE
作者 RucKyGAMES 価格無料
ファイル容量2.7MB カテゴリエンターテインメント
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 2.2.1以降

山田 東京ゲームショウでは僕もびっくりしたのですが、ハドソンさん、ちくわを投げるだけのゲーム(「僕とちくわと鉄アレイ」)を出展されてるんですよ。東京ゲームショウですよ。すごいなぁと思って。

僕とちくわと鉄アレイ(Chikuwa Ninja)
作者 ハドソン 価格230円(先着298014名まで115円)
ファイル容量10.8MB カテゴリゲーム
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.1.3以降

宮下 東京ゲームショウですからね、変わったなぁ。

山田 僕ら、ちくわを投げるゲームのとなりで「太鼓の達人」を出展してたんです。

太鼓の達人 -人気曲ぱっく-
作者 NamcoBandai Games 価格600円
ファイル容量11.2MB カテゴリゲーム
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.1.2以降
太鼓の達人 -人気曲ぱっく2-
作者 NamcoBandai Games 価格600円
ファイル容量11.7MB カテゴリゲーム
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.1.2以降
太鼓の達人プラス
作者 NamcoBandai Games 価格無料
ファイル容量25.3MB カテゴリゲーム
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.1.2以降

宮下 はい、「太鼓の達人」は、iPhoneのためにあるようなゲームですよね。海外での展開はないんですか? 僕の大好きなLady GaGaパックとか出してくださいよ。

山田 Lady GaGa? iTunesのPingでも一番、人を集めてますよね。海外では彼女の事務所に直接話しに行かなければいけないんですけど、そこにたどり着くまでが大変でしょうね、いくつもエージェントがあって……。

宮下 海外でもドン! とカッ! でやればいいんですよ。AppBankでも「太鼓の達人」のプレイ動画を公開したら、向こうの読者が「海外でも出せ」って怒ったりするんですよ。

山田 LadyGagaパックはあるなぁ……。実は以前、「ドラムマスター」というタイトルでアーケード版を海外に持っていったことがあるんですが、あまりうまくいかなかったんですよ。そのトラウマがあるのかもしれないなぁ。

宮下 ドン! とカッ! しかないのがいいんですよ。

山田 スワイプしたり、ピンチインしたり……。

宮下 ダメです。ドン! カッ! なら、文字もそのままいけます。

山田 もし海外で出すとしたら、クラシックと、アーティストのものがいくつか……国内でもRIP SLYMEパックを出してますし……スキヤキソングとか、そういうところですかね?

宮下 スキヤキはたぶんダメですね。

太鼓の達人RS
作者 NamcoBandai Games 価格600円
ファイル容量18.8MB カテゴリゲーム
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.1.2以降

山田 さっきから、僕の言うこと、全部否定してません?

宮下 惜しいですね。

山田 iPhoneは、音楽とも親和性が高いですからね。おかげさまで「太鼓の達人」も国内だけで100万ダウンロードを記録しています。これも、かなりな割合でインストールしていただいていることになります。最初からプリインストールされていてもいいくらいです。いいでしょ? プリインストール。AppBankが最初からiPhoneのSafariのブックマークに入ってたらいいじゃないですか?

宮下 標準アプリにしてもらうのがいいです。

山田 ぜいたくやわ。

宮下 でも、「太鼓の達人」は絶対海外がいいですよ。名前も「ドラムマスター」じゃなくて、せいぜい「タイコマスター」。太鼓くらいわかりますよ。何も変えずに音楽だけ変えればいいんです。全然通用しますよ。いらないんです、言葉なんか。

山田 TGSでは(太鼓の達人の)対戦型モードを展示したんですが、言葉のわからないお子さんや海外の方もすぐわかるんですね。「Here, Push」くらいの説明で。iPhoneアプリって、説明書が入らないじゃないですか。それじゃいけないんじゃないかと思ってApp Storeの紹介文に(操作説明を)書いたりしたこともあるんですが、どこに入れても、結局は、まぁ、見ていただけないですね。

宮下 そうですね、「Angry Birds」というアプリも絵しかないですね。

Angry Birds
作者 Clickgamer.com 価格115円
ファイル容量17.7MB カテゴリゲーム
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.0以降
Angry Birds Lite
作者 Clickgamer.com 価格無料
ファイル容量10.1MB カテゴリゲーム
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.0以降

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