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痛車でラリー! メロンブックスインテ奮闘記 第9回

今期3勝目! メロンインテ、新城ラリーで圧勝

2010年10月14日 20時46分更新

文● 中村信博 ●写真/中島正義

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DAY1からベストタイム連発!

 筆者が会場に入ったのは、25日(土)の早朝。すでにメロン号は別働隊とともに会場入りして、レッキ(事前試走)と出走前車検を終えている状態だ。会場のラリー関係者からは「重役出勤だなあ」といわれるが、いいんです! 今年は選手じゃないからいいんです!

 桜渕公園サービスパークのチームブースにいってみると、2つ並んだ整備テントの下にはインテグラとランサーが仲良く並んでいる。今回の「新城ラリー」では、昨年度の正ドライバーだった浜孝佳選手がJN-4クラスでスポットで参戦することになり、我がメロンブックス・ラリーチャレンジと合同でサービスを設けることになったのだ。正式にはそれぞれ別チームなんだが、同じメロンブックス・カラーのマシンということで、便宜上1つのチームとして行動を共にすることになった、という感じかな?

 せっかく2台がそろったので、こちらからも前戦から導入されたチーム正式のメカニックスーツを貸与して、見た目でも1チーム2台体制に見えるようにした。実は「統一チームウェアの導入」は、2008年にこのラリーチャレンジの企画が始まってから、いつか実現してみたいと思っていたこと。まるでワークスのように見える華やかなサービスの様子には、お客さんからもとても好評だったようだ。

メカニックスーツを両チームで統一! 

 前日にまとまった雨が降った新城市の、早朝の天候は曇り。気象予報では、これから昼にかけて徐々に晴れていくとのこと。通常なら少し固めのコンパウンドのタイヤを選ぶところだけど、この日最初のサービスAまではレインタイヤを装着することにした。勝負どころとなる約19kmの「雁峰ノース」はきわめて道が狭く、しかも樹が生い茂っているために路面の乾きが遅い。ここは安全策をとったわけだけど、他のチームでも柔らかめのコンパウンドを選ぶところが多かったようだ。

 10時11分、まずは浜選手のゼッケン11番「ADVAN・itzzめろんちゃんランサー」がスタート。つづいて18分、眞貝選手が駆るゼッケン18番「メロンブックスDUNLOPテインBRIGインテグラ」がセレモニアルスタートへ。いよいよ総走行距離320.83kmの熱い戦いが始まった!

ADVAN・itzzめろんちゃんランサー

メロンブックスDUNLOPテインBRIGインテグラ

 以下、ステージ成績はメロンブックス・インテグラのタイムを記す。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS1/Tsukude-I
(3.81km)
2:23.6(TOP)2:23.6(TOP)
SS2/GampoNorth-I
(19.40km)
18:16.1(TOP)20:39.7(TOP)
SS3/Houraisen-I
(4.15km)
3:43.5(+1.1)24:23.2(TOP)

 SS1、かつては有料道路だった2車線の高速ステージ「作手」で、メロンインテは幸先よくベストタイムを獲得! 続くSS2「雁峰ノース」は今回のイベントで勝負どころとなるタイトなロングステージだが、こちらでもベストタイムを獲得して早くも2番手以下を大きく引き離していた。

 だが、しばらくウェットになると思われていた路面が予想以上に乾燥が進んでいて、レインタイヤではグリップが最後までもたない状況。ベストタイムをとったSS2でも、終盤セクターで一度だけコースオフしてしまいヒヤリとする場面もあったようだ。ライバルチームもタイヤチョイスに失敗していたため、大きなミスにはならなかったのが不幸中の幸いだった。

 最初のサービスA(45分)では、予定通りフロントタイヤをミドルコンパウンドに変更。念のため各部のチェックを行なうが、マシンにまったく問題はなし。セクション2に向けて、万全の態勢でメロンインテを送り出すことができた。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS4/GampoNorth-II
(19.40km)
17:57.8(TOP)42:21.0(TOP)
SS5/Houraisen-II
(4.15km)
3:40.5(TOP)46:01.5(TOP)

 セクション2、最初のSS4「雁峰ノースII」。タイヤをミドルコンパウンドに変更したメロンインテは、このSSで後続を約20秒引き離すスーパーベストを獲得! このタイムは何と総合でも3番時計に入っていて、イベント総合成績でも一気に4番手まで浮上したのだった。クラス優勝だけではない、総合順位でも3位表彰台が見えてきたわけだ! これ以降、メロンインテは自らの2倍近いパワーを持つJN-4クラスのランサーやインプレッサを相手にとって、総合成績をめぐる熾烈な争いに加わっていくことになる。

 一方、めろんちゃんランサーは序盤からトラブル続きで、思い切ったアタックができない状況。クラッチのつながりが悪く思ったようにパワーを路面に伝えることができないとのことで、タイムが低迷してJN-4クラスで大きく遅れはじめていた。サービスAではクラッチのペダル側を調整して送り出したが、やはり思わしくない様子だ。続くサービスBで再度ペダルを調整するとともに、リヤのブレーキパッド、ブレーキフルードを交換。これで状況が少しでも好転してくれたらいいが……。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS6/Tsukude-II
(3.81km)
2:24.6(TOP)48:26.1(TOP)
SS7/GampoNorth-III
(19.40km)
18:26.2(TOP)1:06:52.35(TOP)

 徐々に日も落ち、各マシンはライトポッドを点灯して薄暗いステージをアタックする。メロンインテはSS6、7と連続クラスベストを叩き出し、JN-3クラスでは2番手以下を1分以上引き離す独走状態となっていた。総合順位ではJN-4クラスの徳尾慶太郎ランサーエボXと熾烈な4位争いとなっており、このセクション3の2本のSSでふたたび徳尾ランサーが逆転、メロンインテは2.5秒差の総合5位につけている。

 デイ1最終のサービスC(60分)。桜渕公園サービスパークは発電機の音が響きわたり、煌々と灯されたライトの下で各マシンが翌日に向けたメンテナンスを受けている。トラブルがまったく無く静かなメロンインテのテントに対して、めろんちゃんランサーのテントは喧騒に包まれていた。このサービスCでも、クラッチの再調整、ミッションオイル全交換、ブレーキラインのエア抜き、リヤバンパーの補修……とメニューが目白押しだ。

 さらに、サービスCを終えてパルクフェルメ(車両保管)に向かうめろんちゃんランサーから、突然のTEL。なんとパルクフェルメまでの数百メートルを移動するさいに、フロントブレーキのローターにクラックが入ったというのだ! もう翌朝最初のサービスD(20分)で交換するしかないが、ブレーキローターのスペアを今回は用意しておらず、他のチームに聞いてみてもこちらに回す余裕は無いとのこと。その後、ランサーチームのチーフメカによると、京都の某ショップに中古ローターを譲ってもらい、知人に翌朝までにサービスパークへ届けてもらえるよう頼んだそうだ。

(次ページへ続く)

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