署名付きパッケージを作成する
Androidマーケットで配布するアプリケーションは、apkというAndroidの配布パッケージ形式になっており、かつ電子署名がなされている必要があります。この電子署名を行なうには、まずキーストアを作ります。このキーストアは、プロジェクト間で共有するアプリケーションの固有キーを保存する領域です。ここに個々のプロジェクトで作るパッケージ用の電子署名キーを保存しておきます。なお、この電子署名処理には、JDK付属のツールであるkeytool.exeやjarsigner.exeが使われています。
実際に署名をする前に、コンパイルエラーなどがないことを確認しておきます。正常にコンパイルできないプロジェクトからパッケージを作ることはできません。
また、一度プロジェクトを特定の署名キーで電子署名したら、署名キーを変更しないようにしましょう。同一の署名キーで署名されていないパッケージでは、ユーザーはプログラムをアップグレードすることができなくなります。また、署名キーは後から修正することもできません。
Eclipseのパッケージエクスプローラーで、対応するパッケージ(プロジェクト)を開き、プロジェクト名のところで右クリックして、メニューから「Android Tools」にある「Export Signed Application Package...」を選択します。以後はウィザード形式による作業です。
下の画像を見てください。まずは対応するプロジェクトの確認です。プロジェクト名の上で右クリックしたので、正しいプロジェクト名が選択されているはずです。確認したら「次へ」ボタンで先に進みます。以後、この「次へ」ボタンを押す操作の説明は繁雑になるので省略します。
次の画面は、キーストアの選択または作成です。今回は初めての署名になるはずなので、「Create new keystore」を選択し、キーストアファイルのパスを「Location」で指定し、このキーストアにアクセスするためのパスワードを設定します。
次にアプリケーションパッケージごとのキーを作るための情報を入力します。キーストアを作った直後は、なにもキーがないので、この画面になります。既にキーがある場合には、キーの選択もしくは、新規作成の画面になります。
ここで、入力項目を説明しておきます。なお、すべて半角英数文字で入力します。
alias:署名キーに付ける名前です
password:署名キーのパスワード(キーストアのパスワードとは別なので注意)
confirm:上記パスーワードを再度入力します
validity(years):署名の有効期間。25年以上が推奨されているので、ここでは25を入れる
First and Last Name:開発者の名前(姓と名)を入れる
Organization Unit:部署名を入れる。適当でかまいません
Organization:組織名(開発した会社名など)を入れる
City or locality:所在地を入れる
State or Province:都道府県を入れる
Country Code(XX):JPを入れる(日本のカントリーコード)
最後は確認の画面です。パッケージを置く場所(プロジェクトフォルダで可)を指定し、「終了」ボタンを押せば、作業は終了です。指定したところに.apkパッケージファイルができているはずです。このファイルをAndroid Marketにアップロードするので、場所を忘れないようにします。
なお2回目からはパスワードを入力して、キーストアを開いたあと、alias選択画面になるので、ドロップダウンリストで署名キーを指定して、あらかじめ指定したパスワードを入力します。その後確認画面が出ますので「終了」ボタンを押してパッケージを生成します。
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