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絵心ゼロでも漫画はできる! 田中圭一氏、「コミPo!」を語る

2010年10月15日 16時00分更新

文● まつもとあつし

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マンガをつくる楽しさを知ってほしい

―― コミPo!を開発しようと思ったきっかけは何だったんでしょう?

田中 アイディア自体は、私がゲーム会社にいたころのものです。もうその頃には漫画家としても活動していたので「マンガで企画を表現する」ということが多かったんですが、これをもっと絵心がない人でもできるようにならないかと思ったんですね。

 当時は2Dで部品をコピペすることを考えていたのですが、ここ数年で3Dで、しかもかわいい萌えキャラで表現できるようになってきました。だったらやるなら今だし、逆にアイディア自体は他の人でも思いつく可能性が高いので急いでやろうと。

 ちょうど初音ミクがブームになった時期でもありましたね。ネットに流出した映像はそのとき(約1年前)のプロトタイプ時点のものです。

YouTubeに掲載されていたデモンストレーション画面。まだ画面はモノクロで、キャラクターも仮のものだった


―― ご自身も漫画家として活動される田中さんですが、プロ向けの制作ツールとしてコミPo!を開発しようとは思わなかったのでしょうか?

田中 うーん、一部はありますが……。やはり「みんな」にマンガを描くことを楽しんで欲しいというのが先にありますね。

 さっきの話をもう少し遡ると、1980年代半ばからブームになった「カラオケ」が念頭にありました。カラオケが普及したことで「人前で歌うのなんて恥ずかしい」という感覚が一掃されましたよね。コミPo!によってマンガの世界にもそういったことが起こせないか、などと考えたりしています。

 個人的な経験から言うと、90年頃にそれまでの絵のタッチを手塚治虫風に変えて、それが評価されたことが大きく影響しています。ストーリーやギャグのアイディアは同じなのに、絵柄を変えたことでまたがらりと読者が受ける印象が変わったわけです。そんな体験をもっと多くの人に提供できたら良いなと。新しい才能が開花するかも知れない。

 コミPo!には萌えキャラを収録しています。私は萌えキャラは描けないんですが、コミPo!ならそれにもチャレンジできるかもしれない。萌えキャラが演じるギャグとか不条理とかを表現してみたいですね。ただ、あくまでみなさんに使って楽しんで頂くツールなので、あまり田中圭一の色が出ないようにしなければとも思っていますが(笑)。

正面を向いたときに真ん中にある口が、横顔では顔の側面に配置される。実は顔の奥の方に口のパーツが配置されていることで実現されているのだ。モデリングの監修も田中氏自身が行なっている

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