このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 6 次へ

開発者が語りつくした! 「KORG M01」が出来るまで【後編】

2010年10月09日 12時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

じゃあ触らせてもらいましょうか!

―― 最後にせっかくだから、ちょっと音出しましょうか。変わった音色としては、どれが面白いですか?

金森 「EXTRAバンク」と呼んでいる音色バンクに、「コードヒット」という音色があるんですよ。これはエレピの音で、1ノートだけでコードが鳴るものなんですが。

実際にさわらせてもらった

―― おお、かっちょいい! これ、コードをサンプリングしたわけじゃないですよね?

金森 いえ、コードをサンプリングしたんです。

佐藤 あの、ちょっと聴いて欲しいものがあるんですけど(と言いつつ、金森さんが打ち込んだ、a-haの「テイク・オン・ミー」とYESの「ロンリーハート」を再生)

―― カッコいいなあ。これギターのスクラッチとか弦の擦れる音も入ってますけど、オリジナルのM1には入ってなかったですよね?

佐藤 そこら辺が「EXTRA」で追加した音色なんですよ。

佐野 当時のシンセって、こんな音どこで使うんだって音、入ってたじゃないですか。あのムードですよ、再現したかったのは。あ、そうそうカオスモードでコードが弾けるのを試していってくださいよ。

―― スケールを選んで、その上にできるコードを勝手に鳴らしてくれるんですよね。その前にシタールの音を聴いてみていいですか?

金森 その音はね、「ラーガ」スケールで弾くといいんですよ。

―― おお、これはどう弾いてもインドじゃないか!

佐野 ヤバい、プリンス・オブ・ペルシャだ!

プリンス・オブ・ペルシャ : Brøderbund社のアラビアンナイト風ゲーム。


 ……と、以後1時間ほど試奏は続いて、このインタビューはおひらきとなった。

 なお「KORG M01」は最終的に全342音色、うちドラムキットは34キット分の音色が載ることになった。ドラムキットにはコルグのDDD-1、DDM-110、S3も収録。佐野さんが「別のソフトで売りたかった」と言うくらい、単体のドラムマシンとしても十分に魅力的で、お買い得感は高い。打ち込みの操作感については、タッチペンが使えるという点で、DAWをしのぐところがあると感じた。

 KORG M01はAmazon専売で、発売予定日は12月31日。が、それより早いデリバリーを目指して、開発チームは追い込みの真っ最中。佐野さんによれば「大晦日に届いても、年末年始に遊べないじゃないですか。だからそれより少し前に」届く可能性もあるというので、ぜひ予約して待とう!



著者紹介――四本淑三

 1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。

■Amazon.co.jpで購入

前へ 1 2 3 4 5 6 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン