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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第18回

ネット機能も録画機能もついたデジタルチューナー

古いテレビが最新テレビに!? AQUOSネットチューナーを試す

2010年10月06日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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2台目テレビには不可欠なDLNA対応など、
ネットワーク機能も充実

テレビ放送の視聴中にインターネットのサービス一覧を表示。ここから目当てのサービスを選択すれば、ダイレクトに移動することができる

テレビ放送の視聴中にインターネットのサービス一覧を表示。ここから目当てのサービスを選択すれば、ダイレクトに移動することができる

 続いてネットワーク機能を紹介しよう。ネットワーク機能も最新鋭の「モーションガイド」を搭載。これを使えば、テレビ放送を見ながらインターネットの各種サービスを直接選択してコンテンツを切り換えることができる。

インターネット機能のトップ画面と呼べる「AQUOS.jp」の画面。ここから各種のサービスを選ぶのが、基本的な使い方

インターネット機能のトップ画面と呼べる「AQUOS.jp」の画面。ここから各種のサービスを選ぶのが、基本的な使い方

 リモコンの「インターネット」ボタンを押して、ポータルサイトである「AQUOS.jp」に切り替えることもできるが、「アクトビラ・ビデオ・フル」の視聴など、やりたいことが決まっている場合はダイレクトに切り替えができて便利だ。

テレビ放送とインターネットの2画面表示。小画面モデルでは細かい文字などが読みにくいこともあるが、インターネット機能を持たない大画面テレビではありがたい機能だ

テレビ放送とインターネットの2画面表示。小画面モデルでは細かい文字などが読みにくいこともあるが、インターネット機能を持たない大画面テレビではありがたい機能だ

 また、テレビ放送とインターネットは2画面表示で両方とも表示することが可能。テレビ番組を見ていて気になった事柄をインターネットで検索するといった使い方が手軽にできる。

「デジ×マガ」で「ドットPC」を試し読み

「デジ×マガ」で「ドットPC」を試し読み

 インターネットのサービスは、「アクトビラ」や「Yahoo! JAPAN for AQUOS」をはじめ、動画配信系では、「TSUTAYA TV」や「T’s TV」などがあり、そのほかにも、毎日新聞の主要な記事を読める「毎日新聞×DoTV」、雑誌の主要ページを読める「デジ×マガ」、初期設定で登録した地元で配布されているスーパーなどのチラシをチェックできる「Shufoo!」と、実用的なサービスも数多く用意されている。これらのサービスは動画サービスを除けば、基本的に無料なので、積極的に活用したいところだ。

ホームネットワーク機能のメニュー画面。上下キーで見たい(聞きたい)コンテンツ種別を選択する

ホームネットワーク機能のメニュー画面。上下キーで見たい(聞きたい)コンテンツ種別を選択する

 個人的には最大の特徴と言えるのが、DLNA対応の「ホームネットワーク」機能。最新のテレビでは続々と採用されている機能で、これがあれば、別室のBDレコなどで録った番組などを家庭内のネットワーク経由で再生できるようになる。こうした機能は高価格な大画面モデルでの採用が多く、低価格な中~小型では省略されることも少なくないのだが、実際的な用途を考えれば、寝室や個室で使われることの多い中~小型テレビにこそ欠かせない機能だと思う。

 プライベート用の小型テレビまですべて「地デジ化」するのは予算的にも大変。思い切ってデジタルテレビを買い増しするにしても価格が優先で、テレビ視聴だけのスタンダードモデルを選ぶ人も少なくないだろう。その点、本機ならば価格はテレビよりも安価で、録画機能を含む最新のネットワーク機能を追加できるのだから、メリットはとても大きい。

 本機のホームネットワーク機能は、動画、静止画、音楽の再生に対応しており、BDレコーダーなどに録画した番組の再生から、パソコンのHDD内にある静止画や音楽の再生まで幅広く行なえる。対応する動画は、MPEG-2/AAC、H.264/AAC、H.264/AC3となっており、基本的にはBDレコで録画した番組やAVCHD規格の動画となる。

 静止画はJPEG、音楽はリニアPCM(44.1/48kHz)、MP3(32/44.1/48/kHz、32~320kbps)で、こちらも基本的にはデジカメやポータブルプレーヤーでよく採用される音楽ファイル形式だ。96kHzのハイサンプリング音源のような楽曲データやFLACのような少々マニアックなファイル形式には対応していないが、一般的なAVコンテンツを楽しむ点では十分だろう。

 本機とネットワーク回線を接続し、「ホームネットワーク機能を利用する」を選ぶ程度の基本的なネットワーク設定さえ済ませれば、ホームネットワークはすぐに使える。「映像を見る」を選ぶと、接続可能な機器のリストが表示されるので、それを選べば録画済みの番組などの再生ができるようになる。

 ジャンル別などの階層を降りていくとそのフォルダ内のリストが表示されるので、あとは見たい番組を選ぶだけ。静止画や音楽もほぼ同じ要領でコンテンツの再生ができる。日本語表示に対応しているのはもちろんのこと、静止画のサムネイルや音楽データのジャケット写真の表示なども可能だ。

 レスポンスもスムーズで、コンテンツを探すのも快適。操作系は若干異なるが、ネットワーク経由での再生ということを意識せずに使える。

 BDレコに録画した番組の再生では、基本的な再生操作はリモコンでも行なえるが、リモコン下部のパネル内にある「VOD操作」を選ぶと、画面に操作ボタンを表示して再生操作を行なうこともできる。

 ホームネットワークでの番組再生は、早送り/早戻し再生ができないなどの機能制限があり、それらはリモコンのボタンを押しても反応がないだけ。使用できるボタンだけが画面に表示される「VOD操作」の方が初心者には分かりやすいだろう。


最新テレビの高機能をリーズナブルに追加でき、
しかも使い勝手は随一

 録画機能やネットワーク機能までも盛り込んだ高機能デジタルチューナーは、本機が初めてのものではない。しかしながら、テレビ録画からネットワーク機能、DLNA機能まで、ここまでフレンドリーに使えるという点では本機は大きな価値がある。

 AQUOSやAQUOSブルーレイで培った簡単操作という資産を有効に活用することで、多機能でありながら初心者にも安心しておすすめできる使いやすさが可能になっている。

 画質もノイズの少ない見やすさを重視したもので、ややソフトではあるがハイビジョンらしい情報量の豊かさはしっかりと再現される。音質も同様で、中域主体の聴きやすさを重視したものとなっており、基本的な作りの良さはAQUOSの血統を感じる。

 まだまだ薄型テレビが割高だった時期に購入し、現在のモデルの低価格に悔しいものを感じつつも、十分現役であるために買い換えするほどではないというジレンマを抱いている人は案外多いと思う。本機はそんな人の救世主となる一台と言えるかもしれない。 


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