高性能CPUと大容量SSDを搭載
今度は、ノートパソコンとしての基本性能を見ていこう。Let'snote J9は、通常電圧版CPUを搭載しており、モバイルノートながら、A4フルサイズノートに匹敵する性能を誇る。
店頭モデルでは、CPUとしてCore i3-370M(スタンダードモデル)またはCore i5-460M(ハイパフォーマンスモデル)が搭載されているが、プレミアムエディションではCore i7-640Mを搭載。Core i7-640Mの定格クロックは2.8GHzだが、ターボ・ブースト・テクノロジーにより最大3.46GHzまでクロックが向上する。
また、L3キャッシュ容量も4MBに増えており、高いパフォーマンスを実現。メモリーも標準で4GB搭載しているが、SO-DIMMスロットを使わずに、オンボードですべて実装されていることも高く評価できる。最大8GBまで増設でき、メモリーも無駄にならない(店頭モデルは2GBオンボードなので、最大6GB)。
ストレージにアクセスが高速なSSDを搭載していることも魅力だ。店頭モデルでは、ストレージとして160GB HDD(スタンダードモデル)または128GB SSD(ハイパフォーマンスモデル)が搭載されているが、プレミアムエディションでは、店頭のハイパフォーマンスモデルの2倍の容量となる256GB SSDを搭載している。128GBでは少し容量的に不安があるという人も、256GBあれば安心だろう。
液晶ディスプレーとしては、10.1型ワイド液晶を搭載している。解像度は1366×768ドットで、従来のLet'snote R9の10.4型液晶(1024×768ドット)に比べて解像度が約1.33倍に向上している。一度に表示できる情報量が増えており、より快適に利用できる。
また、ノングレアタイプの表面加工を採用しているので、外光の映り込みが少なく、長時間使っていても目の疲れが少ない。
クイックブートマネージャーで超高速起動を実現!
Let'snote J9の新機能の中でも、特筆したいのが、新たに搭載されたクイックブートマネージャーだ。これは、電源オフ状態からのWindowsの起動を高速化する技術で、専用ユーティリティーを利用して設定するだけで、Windowsの起動速度を従来の約2倍に向上できる。
具体的には、Let'snote R9の夏モデル(店頭モデル)では、電源オフからのWindowsの起動に約30秒かかっていたのに対し、Let'snote J9のプレミアムエディションでは、約15秒で起動する。
BIOSの初期化手順を一部省略し、デバイスとサービスの開始をWindows起動後に遅らせるなどの工夫で、この超高速起動を実現しているのだ。
Windows 7では、スタンバイからの復帰が高速化され、数秒程度で完了するのだが、電源オフの状態からの起動は、やはり数十秒程度かかってしまっていた。クイックブートマネージャーを搭載したLet'snote J9なら、みるみるうちに起動するので、マシンの起動に待たされるという感覚がない。
この速度は本当に感動ものだ。空き時間に少しずつ仕事をするなど、電源のオンオフを行なうことが多い人には、非常に嬉しい機能だ。
新設計のリーフ型キーボードを採用
Let'snote J9では、キーボードも一新されている。キーピッチ自体は約17mmで、Let'snote R9と同じだが、キートップの形状が従来のスクエア型から葉っぱのように左上と右下を丸めたリーフ型に変更されている。
この形状は、ホームポジションからの指の動きに配慮されたもので、スムーズな動きをサポートしてくれる。従来型キーボードに比べて、誤入力率が約10%低減されたという。
また、TabキーやShiftキーなど、よく使われる周辺キーのサイズはLet'snote R9よりも大型化されており、快適なタイピングが可能だ。キートップの印字フォントも、「O(英字のオー)」と「0(数字のゼロ)」の違いなどがわかりやすい、ユニバーサルデザインフォントが採用されている。
ポインティングデバイスとしては、Let'snoteシリーズではお馴染みの円型ホイールパッドを採用。円周部をクルクルとなぞることで、連続的にスクロール操作ができるので便利だ。
インターフェースも強化、HDMIやExpressCardスロットも搭載
Let'snote J9は、インターフェースも大幅に強化されている。Let'snote R9では、USB 2.0ポートが2基しか用意されておらず、配置も右側のみだったが、Let'snote J9では、USB 2.0ポートが3基に増え、配置も左側に1つ、右側に2つと分散されたため、より使いやすくなっている。
コネクタにも抜き差し負荷に強い頑丈なパーツが使われている。また、Let'snote R9には搭載されていなかったHDMI出力端子を装備。HDMI入力端子を備えた大画面テレビやプロジェクターなどに接続することが可能になった。
従来通り、ミニD-Sub15ピンのアナログRGB端子も備えているので、アナログRGBのみ対応のプロジェクターなども問題なく利用できる。無線機能も充実しており、IEEE 802.11n無線LANとWiMAXに対応するほか、店頭モデルでは非対応のBluetooth Ver.2.1+EDRにも対応する。
さらに、プレミアムエディションでは、ExpressCardスロット搭載モデルとワイヤレスWANモデルが用意されており、前者を選ぶと、ExpressCardスロットを利用できる。ExpressCardスロットの搭載は、Let'snoteシリーズでは初であり、従来のPCカードよりも高速なバスを活かした拡張カードの利用が可能だ。もちろん、従来通りSDメモリーカードスロットも搭載している(SDHC/SDXC対応)。
最大約11時間の長時間駆動を実現
バッテリー駆動時間が長いことも、Let'snoteシリーズのウリだが、その長所はLet'snote J9でもそのまま受け継がれており、プレミアムエディション(ExpressCardスロット搭載モデル)では、バッテリー(L)で最大約11時間もの長時間駆動が可能だ。
マイレッツ倶楽部では、付属バッテリーを選択可能で、軽量なバッテリー(S)を選べば、重量が約1,145g(ジャケット装着時)に軽量化される。バッテリー(S)でも約7.5時間駆動が可能なので、バッテリー(S)でも十分だという人も多いだろう。出張などの場合は、ACアダプターのサイズも重要だが、Let'snote J9のACアダプターはコンパクトで軽い。
このように、Let'snote J9は、さまざまな面が進化、改良されており、新世代モバイルノートと呼ぶにふさわしい製品だ。プレミアムエディションは、その最高峰として位置づけられる”プレミアム”なモデルであり、パフォーマンスと携帯性に優れ、デザインにもこだわったモバイルノートが欲しいという人にお勧めだ。
Let'snote J9 マイレッツ倶楽部モデル | ||
---|---|---|
製品名 | ハイパフォーマンスモデル | プレミアムエディション |
CPU | 標準電圧版Core i5-460M(2.53GHz) | 標準電圧版Core i7-640M(2.80GHz) |
OS | Windows 7 Professional 32/64ビット | |
ストレージ | HDD 640GB | SSD 256GB |
メモリー | 4GB(最大8GB) | |
ディスプレー | 10.1型WXGA(1366×768ドット) | |
ワイヤレス ネットワーク |
WiMAX、IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth Ver2.1+EDR/Class 2 | |
追加装備 | - | ワイヤレスWAN または ExpressCardスロット |
バッテリー 駆動時間 |
約7時間 (バッテリーパックS装着時) |
ワイヤレスWANモデル:約6.5時間 ExpressCardスロットモデル:約7.5時間 (バッテリーパックS装着時) |
サイズ | ジャケット装着時:幅259×奥行き185×高さ48mm(最薄部39mm) ジャケット非装着時:幅251.9×奥行き171.7×高さ35.1mm(最薄部27.3mm) |
|
重量 | ジャケット装着時:約1.195kg ジャケット非装着時:約0.98kg |
ワイヤレスWANモデル ジャケット装着時:約1.155kg ジャケット非装着時:約0.94kg ExpressCardスロットモデル ジャケット装着時:約1.145kg ジャケット非装着時:約0.93kg |
価格 | マイレッツ倶楽部でチェック! |
マイレッツ倶楽部モデルのスペックは表の通り。また、ショッピングサイト「マイレッツ倶楽部」では「Office Home and Business 2010」プリインストールモデルが選択できる。オフィスワーカーに必須なツールが最初から入っているので、購入の際はぜひチェックしてみてほしい。