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Windows Serverで学ぶサーバOS入門 第34回

仮想ネットワークについても知っておこう

Hyper-Vの仮想マシンに「統合サービス」を入れよう

2010年10月12日 09時00分更新

文● 横山哲也/グローバルナレッジネットワーク株式会社

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仮想ネットワーク

 仮想サーバのネットワークインターフェイスは、一種の仮想スイッチである「仮想ネットワーク」を経由して通信を行なう

図1●仮想ネットワークの仕組み(再掲載)

Hyper-Vでは、以下の仮想ネットワークを構成できる。

(1)外部

 外部ネットワークに接続された仮想スイッチ。仮想サーバを外部ネットワークに接続すると、外部通信が可能になる。もちろん仮想サーバ間の通信もできる。内部的には、物理サーバ(親パーティション)に作成された仮想ネットワークアダプタが物理ネットワークインターフェイスとブリッジ接続される

(2)内部

 物理サーバに作成された仮想ネットワークアダプタに接続されたスイッチ。仮想サーバ間に加え、仮想サーバと物理サーバとの通信が行なえるが、外部ネットワークとは通信できない。ただし、物理サーバ側で、仮想ネットワークアダプタを使ったルーティングやNATを構成すれば外部と通信できる

(3)プライベート

 仮想サーバ間の通信は可能だが、物理サーバといっさいの接続ができないネットワーク。セキュリティ上の理由などにより、完全な分離をしたい場合に使う

 仮想ネットワークを設定するには、サーバーマネージャの「役割」-「Hyper-V」-「Hyper-Vマネージャ」のホスト名を右クリックし、「仮想ネットワークマネージャ」を起動する(画面4)。ここで、「外部」か「内部」、「プライベート」のいずれかを選択して「追加」をクリック。そして、仮想ネットワークに名前を付け、接続の種類を確認すればよい(画面5)。外部ネットワークを選んだ場合は、接続先の物理ネットワークインターフェイスも指定する。また、この画面5ではタグVLANの構成を行なうこともできる。

画面4●作成する仮想ネットワークの種類を選択

画面5●仮想ネットワークに付ける名前を登録する

 仮想ネットワークが作成できたら、仮想サーバの設定画面で、ネットワークアダプタと仮想ネットワークの結合を変更する。

仮想ディスク

 Hyper-Vは、仮想サーバの作成時に仮想ディスクを自動的に作成できる。このときに作成される仮想ディスクは、「容量可変ディスク」と呼ばれる。実際には、利用可能な仮想ディスクは表3の4種類がある。一長一短があるので適切なものを使ってほしい。

表3●仮想ディスクの種類

 仮想ディスクの作成手順は以下の通りである。

(1)仮想ディスクの追加

 サーバーマネージャを起動して、「役割」-「Hyper-V」-「Hyper-Vマネージャ」のホスト名を右クリックし、「新規」-「ハードディスク」を選択。ここで「ディスクの編集」を選ぶと、仮想ハードディスクのサイズ変更(容量可変または容量固定の場合)や未使用領域の圧縮(容量可変の場合)できる

(2)種類の選択

 利用目的に応じて、容量可変か容量固定、差分のいずれかを選択する(画面6)。「差分」を選んだ場合は、容量可変または容量固定のいずれかの仮想ディスクを作成しておく必要がある

画面6●新しい仮想ハードディスクウィザードで仮想ディスクの種類を選ぶ

(3)ディスクファイルの保存

 仮想ディスクのファイル名とフォルダを指定する(画面7)。差分ディスクを指定した場合はここでベースディスクも指定する

画面7●仮想ディスクのファイル名と保存先を指定する

(4)サイズの指定

 仮想ディスクのサイズを指定(画面8)。指定した物理ディスクの内容をコピーした仮想ディスクを作成することもできる

画面8●ウィザードの最後でディスク容量を指定する

 パススルーディスクを使う場合は、ディスク管理ツールでそのディスクをオフラインにするだけでよい。完成した仮想ディスク(パススルーディスクを含む)は、仮想サーバの設定画面で割り当てる。

 本記事は、ネットワークマガジンにて掲載していた連載をまとめたものです。連載の一部は弊社刊行の書籍「Windows Serverマスターガイド」にも収録をしております。

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