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【所長コラム】「0(ゼロ)グラム」へようこそ

ネット行動とコンテンツ消費で客を掴め!

2010年10月04日 06時00分更新

文● 遠藤諭/アスキー総合研究所

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MCS 2010をiPadで素早く使う!

 ネット時代の新しいライフスタルを分析しているアスキー総研では、「MCS(メディア&コンテンツ・サーベイ)」という大型調査を実施。今年3月から冊子版とアプリケーション版の販売を行なっている(詳しくはこちらのサイトをご覧あれ)。

 すでに一般製造業、コンテンツやメディア関連企業などに導入していただき、高い評価を頂戴しているが、これのiPad版といえるアプリが登場した。すでにリリースも出させてもらっている「MCS Elements」(発売:株式会社ユビキタスエンターテインメント)である。

 iPad版は、「MCS(メディア&コンテンツ・サーベイ)2010」のエッセンスを、会議などでリアルタイムに使えるようにしたものだ。プロモーションや商品開発、事業計画に本気で使うには「MCS 2010」が必要となるが、iPad版は、なにしろ手早くユーザーの基本パターンをつかむことができる。

 「MCS Elements」を起動してみると、トップ画面に12個の典型的なユーザー層があげられてる。この人たちの属性を知りたいなら、ここから入ればよい。

 たとえば、「団塊男性」(1947~1949年生まれの男性=第一次ベビーブーム世代で戦後文化に大きな影響を与えてきた世代)を選んでやれば、代表的な9つのカテゴリ一が表示される(「詳細>」メニューからは、36個のカテゴリを選べるようになっている)。

 ここで、「テレビ番組」(過去半年間に視聴したことのある地上波番組)を選んでやれば、ポンと次の画面になる。その間、わずか2タッチ。「たけしのTVタックル」、「開運!なんでも鑑定団」、「NHKスペシャル」といった番組名が出てくる。そしてこの3つは、グレーの棒グラフで表現されているアンケート対象者全員の平均より、団塊男性の接触度(ブルーの棒グラフ)がかなり伸びている点も直感的に理解できる。

 こんな具合で、会議の会話の合間に次々とデータを引っ張り出せるのは、まさにiPadのタッチインターフェースのたまものといえる。Webで検索し始めたり、事前に白書をコピーしておいたりというのでは、スピード感も柔軟性もない。ビジネス環境で、こんな風に自在にデータを扱える世界を提案したい。ここでは使い方の例として、「おひとりさま」について見てみよう。

 「おひとりさま」の正確な定義はないが、Wikipediaを見ると「30歳すぎで独身を楽しんでいる女性」とも「2009年10月からTBS系列で放送されたテレビドラマ」ともある。TBSで放送されたテレビドラマ『おひとりさま』は、33歳独身の女性教師が、10歳年下の“草食系男子”に惹かれていくというお話。しかし、アスキー総研では、単純に、

 1970~1980年生まれで「休日の楽しみ方」に「デート」と答えなかった未婚女性

と定義した。日本の推定ネット人口構成比をもとに作った1万人のパネルから、この条件に合う人を抜き出して、仮にこのように名付けたといったほうがいいだろう。


 (次ページ、「おひとりさまは、かなりのアナログ!?」に続く)

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