ビデオカード
ゲームPCを作る上で最も重要になるのがビデオカードだ。ゲームタイトルによって最適化具合も異なるため、目的のゲームが決まっている場合はゲームタイトルに併せて選択するといい。また、特定のゲームにこだわらない場合は、最新のDirectX 11に対応したミドルレンジ以上のモデルをチョイスしたい。ビデオカードの構成は【AMD編】と同じなので、詳細はそちらを参照してもらうとして、ここではおさらいとして軽く触れておくだけにする。(編注:【AMD編】を読んでいれば、このページは読み飛ばしてもらってかまわない。)
NVIDIA製ハイエンドビデオカード
NVIDIA製のハイエンドビデオカードには、2010年3月に発表された「Fermi」アーキテクチャを採用する「GF100」コアを搭載した最上位モデル「GeForce GTX 480」。その廉価版となる「GeForce GTX 470」の2種類が用意されている。
今回は最高の性能を追求するということで「GeForce GTX 480」を採用したモデルを選択した。「GeForce GTX 480」はNVIDIA製ビデオカードでは初めてDirectX 11に対応し、前モデル「GeForce GTX 285」と比較しても、トランジスタ数は14億から30億へと2倍以上になるなど、まさにモンスターカードといえる仕様になっている。
EVGA「GeForce GTX 480」
●実売価格:5万円前後
●URL:http://www.corsair.com/products/dominator/default.aspx
リファレンスモデルでも十分高性能な「GeForce GTX 480」だが、ZOTACからオーバークロック仕様の「GeForce GTX 480 AMP」が発売されている。こちらは3スロット占有の大型冷却クーラーを採用したモデルでコアクロック756MHz、シェーダークロック1512MHz、メモリクロック3800MHzへとそれぞれ引き上げられている。より高性能なモデルを選択したいユーザーにおすすめしたい。
また、リファレンスモデルを選択するなら、取り扱い店舗がドスパラのみになるが実売価格が4万5000円と安いPALIT製「GeForce GTX 480 (NE5TX480F09CB)」がおすすめ。
NVIDIA製ミドルレンジビデオカード
NVIDIA製のミドルレンジビデオカードには、やはり新型の「GeForce GTX 460」を推したい。新型コアとなる「GF104」を採用したモデルで、直近の上位モデル「GeForce GTX 465」と比較してもほぼ同等の性能で大幅に消費電力が削減されている。
さて、この「GeForce GTX 460」搭載モデルにはビデオメモリ768MB版と1GB版の2種類があるが、ROPユニット数やメモリインターフェイス幅といった性能に直結する違いがあるため、ここは少し無理をしてでも是非1GB版を選択したい。ミドルレンジのビデオカードらしく、オリジナルファンやオーバークロック仕様のといったラインナンップも多い。お気に入りの一枚を選んで問題はないだろう。
PALIT「GeForce GTX 460 Sonic Platinum」
●実売価格:2万4000円前後
●URL:http://www.palit.biz/main/vgapro.php?id=1338
今回はヒートパイプを搭載した大型クーラーと独自の小型基板を採用したオーバークロックモデル、Patriot製「GeForce GTX 460 1GB Sonic Platinum」を選択した。コアクロック800MHz、シェーダークロック1600MHz、メモリクロック4000MHzとリファレンスモデルから大幅なオーバークロックを実現しつつ実売価格2万4000円と非常にコストパフォーマンスに優れた人気の製品である。
さらに高性能をねらうユーザーにはGALAXY「GF PGTX460SuperOC/1GD5 FUJIN 2.0」をおすすめしたい。GPUクーラーに同社のオリジナルクーラー「風神」を採用し、コアクロック810MHz、シェーダークロック1620MHz、メモリクロック4000MHzというスペックは同GPU搭載モデルでもトップクラスのスピードを誇る。
AMD製ハイエンドビデオカード
AMD製のハイエンドビデオカードとしてはデュアルGPUの「Radeon HD 5970」や「Radeon HD 5870」が用意されているが、「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク」でNVIDIAのハイエンドモデル「GeForce GTX 480」を超えるということで、今回は敢えて「Radeon HD 5850」を採用した製品を選択した。
「Radeon HD 5850」はハイエンド向けビデオカードとしては消費電力が少なく、価格も2万円台後半~3万円台中盤とバランスの取れた製品だ。
ASUSTeK「EAH5850 DIRECTCU TOP/2DIS/1GD5」
●実売価格:3万5000円前後
●URL:http://www.asus.co.jp/product.aspx?P_ID=Yi2BzMnQP4ttW3Fm&templete=2
「EAH5850 DIRECTCU TOP/2DIS/1GD5」はヒートパイプと大型ヒートシンクからなる「DIRECTCUクーラー」を搭載したオーバークロックモデル。コアクロック765MHz、メモリクロック4500MHzもオーバークロックされているが、高性能のオリジナルクーラーを採用しているためリファレンスクーラーより温度は最大20%、動作音は最大35%低減しているとのこと。
また、GPU電圧を変更できる機能である「Voltage Tweak」に対応し、最高50%のオーバークロック動作が可能になっている。
「Radeon HD 5850」には2GBのビデオメモリを搭載したSapphire製「TOXIC HD5850 1G GDDR5 PCI-E DUAL DVI-I/HDMI/DP BOX」が発売されている。こちらは、オリジナル冷却ファンを採用し、コアクロック765MHz、メモリクロックが4500MHzにオーバークロックされたモデルとなっている。大容量メモリのビデオカードが欲しいユーザーにおすすめしたい。
また、玄人志向製「RH5850-E1GHW/HD/DP/SP」は銅製ヒートパイプを採用したオリジナルファンを搭載し、コアクロック760MHz、メモリクロックが4200MHzにオーバークロックされていながら、実売が約2万9000円とコストパフォーマンスに優れたモデルだ。
AMD製ミドルレンジビデオカード
AMD製のミドルレンジビデオカードには「Radeon HD 5770」と「Radeon HD 5750」があるが、「Radeon HD 5750」ではちょっと力不足ということで、ここでは価格と性能のバランスがとれた「Radeon HD 5770」を採用した製品をおすすめしたい。
NVIDIAと同様にミドルレンジのビデオカードということで、各社よりオーバークロック版や1スロット版など様々なモデルが販売されている。
MSI「R5770 HAWK」
●実売価格:1万7000円前後
●URL:http://www.msi-computer.co.jp/products/VGA/R5770_Hawk.html
今回は静音性と冷却性能の高さで評判のオリジナルGPUクーラー 「Twin Frozr II」を採用し、コアクロックが875MHzにオーバークロックされたMSI製「R5770 HAWK」を選択した。7+1フェーズPWM仕様の電源回路とMSI独自の品質基準となる「ミリタリークラス」に対応することで高い耐久性と長寿命を実現した製品だ。
最近のミドルレンジ以上のビデオカードはいずれも2スロット以上占有するタイプが多くなっているが、XFX製「HD5770 850M 1GB DDR5 DP DUAL DVI PCI-E」やPowerColor製「HD5770 1GB GDDR5 Single Slot」のような1スロットモデルも販売されている。両モデルともクロックダウンやバス幅の縮小などの制限も無く、2スロット版と同等のパフォーマンスが期待できる。 小型PCでマルチGPU環境を構築したい場合や、ケース内のエアフローを良くしたい場合は、1スロットモデルを選択するのもありかもしれない。
(次ページへ続く)