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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第17回

やっぱり買っちゃいました! 

実はむちゃ売れ!? ソニー「ハンディカム NEX-VG10」

2010年09月29日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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別途購入したレンズなどと一緒にキャンプ場でさっそく使う

NEX-VG10のメニュー画面はNEXとほぼ共通。カメラアイコンの絵柄がNEX-VG10のものに変わっているのが唯一の違い

NEX-VG10のメニュー画面はNEXとほぼ共通。カメラアイコンの絵柄がNEX-VG10のものに変わっているのが唯一の違い

 翌日は荷物一式をバイクに積んで、キャンプ場へ直行。テントの設営や料理の支度をする楽しそうなメンバーを横目でながめながら、さっそくNEX-VG10を取り出して使ってみることにした。

セットアップでは、撮影設定や本体設定、基本的な初期設定のほか、モニターのグリッドラインや明るさ設定なども行なえる

セットアップでは、撮影設定や本体設定、基本的な初期設定のほか、モニターのグリッドラインや明るさ設定なども行なえる

モニター明るさの設定画面。±2までの5段階で調整できる。グレースケールやカラーチャートまで表示され、屋外での明るさ調整もやりやすい

モニター明るさの設定画面。±2までの5段階で調整できる。グレースケールやカラーチャートまで表示され、屋外での明るさ調整もやりやすい

 初期設定はそれほど面倒ということはなく、日付や時間を記録する程度。あとは動画/静止画の撮影モードを選んだり、液晶モニターのグリッド表示を選択したり、最低限の設定だけを行なって使い始める。設定メニューなどはNEXシリーズと共通のもので、ハンディカムとは異なるもののこちらも簡単に使える。

動画の場合、オートフォーカス設定はオート/マニュアルの選択のみ。手ブレ補正の設定では、切/スタンダード/アクティブモードが選べる

動画の場合、オートフォーカス設定はオート/マニュアルの選択のみ。手ブレ補正の設定では、切/スタンダード/アクティブモードが選べる

動画の録画モードはすべてAVCHDで、FX(24Mbps)/FH(17Mbps)/HQ(9Mbps)の3つ。静止画はL(12M)/M(6.3M)/S(2.9M)の3つ(アスペクト比16:9の場合)で、RAW画像の撮影はできない。アスペクト比は3:2と16:9が選べる

 付属レンズを装着した状態での撮影時総重量は約1.3kgで、決して手持ち撮影ができないような重さではない。重量バランスとして若干レンズ側が重く感じるが、グリップ部分が大きく滑りにくいのでホールドしやすく、負担は少ない。

 早速撮影してみると、映像は鮮明で解像感の高さが印象的。これはエクストラファイン液晶の高精細さもある。画面サイズとしては若干小さい印象だが実用上の問題は少ない。

三度登場で恐縮だが、キャンプツーリングの模様を撮影したもの。解像感が高く、色乗りも良好な映像となっている

三度登場で恐縮だが、キャンプツーリングの模様を撮影したもの。解像感が高く、色乗りも良好な映像となっている

付属のレンズで最大望遠で撮影。手持ち+「アクティブモード」で撮影したが、望遠側では手ブレを十分に解消することはできず、フォーカスもやや外れている

付属のレンズで最大望遠で撮影。手持ち+「アクティブモード」で撮影したが、望遠側では手ブレを十分に解消することはできず、フォーカスもやや外れている

24MbpsのFXモードで小川の流れを撮影。小川の速い流れでも圧縮による劣化はほとんど発生しない

24MbpsのFXモードで小川の流れを撮影。小川の速い流れでも圧縮による劣化はほとんど発生しない

 ここで気がつくのが、一般的なハンディカムとの機能の差。本機には動画撮影時、フルオート/露出優先/シャッター速度優先/マニュアルが選べるが、最新のハンディカムが採用する「顔検出」や「おまかせオート」といった便利な撮影機能はない。

 「手持ち夜景」や「人物ブレ低減」といったモードは静止画撮影のみ選択できる。そして、動画モード時に静止画撮影を行なうこともできないし、撮影済みの動画から気に入った場面だけを静止画として切り出す機能などもない。

 つまり利便性を高める機能は潔く省略されている。想定するユーザー像を考えれば不満を持つ人は少ないと思うが、「“大は小を兼ねる”的に本機があれば、自分なりの表現を追求した撮影から子供の成長記録、散歩中の映像のようなカジュアルな撮影まですべてカバーできる」と考えると痛い目を見る。基本的にはあらかじめ構図やアングルを決めて、自分の狙った映像を撮影するような用途が主体。これは使えば使うほど実感する。

 次に気になるのが、オートフォーカスの追従性。動作がやや遅く、素早く動く被写体を追おうとすると追従しきれないこともある。このあたりは従来のハンディカムの方が速いし、「顔認識」による追従もできるので使いやすいだろう。

 なお、動画撮影中でもグリップ部の上部にある「フォトボタン」を使うと強制的にフォーカス合わせを行なうことができる。動作はやや緩慢だが、撮影中にフォーカスが外れてしまった場合なども、慌てずにフォーカスを合わせ直すことができて便利だ。

 「アクティブモード」が備わった手ブレ補正に期待して、手持ち撮影も試してみた。広角(ワイド)側で歩きながら撮影するには十分な威力を発揮するのだが、ちょっと速めにカメラを動かすとオートフォーカスが外れてしまうこともあり、移動しながらの撮影はそれなりに気を遣う必要はある。

 ちょっと使ってすぐわかることではあるが、手持ちで自由に歩きながら、手軽に撮影できるビデオカメラではない。もっとも基本的な使い方は三脚等で画角を固定して撮るとか、事前に被写体に指示をしてその通りに動いてもらった様子を撮るといった、あらかじめの台本ありきの撮影となるだろう。

 作品づくりまで想定して積極的に撮るという姿勢を持った人でないと使いにくいだけのビデオカメラということになってしまう。

 

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