オンキヨーは28日、国内パソコンメーカーでは初となるWindows 7搭載のスレートPC「TW」シリーズ3製品を発表した。発売は10月中旬の予定。
スレートPCとは、Windowsプラットフォームを搭載するタブレット型コンピューターの名称で、iPadやタブレット型Android端末に対抗するジャンルの製品となる。TWシリーズでは、OSにWindows 7 Home Premium 32bit版を、CPUにはAtomシリーズを採用し、ネットブックの機能をそのままタブレット型端末に集約した形となっている。
ラインナップは3機種で、11.6型ワイドサイズが1機種と10.1型ワイドサイズ2機種となっている。OSはいずれも共通で、メモリーは1GB。全機種ともマルチタッチ対応のタッチパネルディスプレーを搭載する。主な仕様は以下のとおり。
製品名 | 液晶サイズ | CPU | ストレージ | 質量 |
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TW317A5 | 11.6型 1366×768ドット | Atom N450 1.66GHz | SSD 32GB | 約1kg |
TW217A5 | 10.1型 1024×600ドット | Atom Z530 1.60GHz | 約850g | |
TW117A4 | Atom N450 1.66GHz | HDD 160GB | 約0.99kg |
ハードウェア的にはほぼネットブックと同等で、キーボードのないWindowsネットブックとして使用できる。タッチパネル向けの独自ユーザーインターフェース(UI)や、Windows UIのカスタマイズなどはなく、Windows 7のUIそのままとなっている。また、ベースがネットブックだけに、HDMIミニ出力(TW117A4はアナログ出力)やUSB×2(TW217A5のみ1ポート)、SDメモリーカードスロットなど、パソコンでは標準のインターフェースも備えている。
ソフトウェア面も、Windows 7にWindows Liveのソフトウェア集やFlash Player 10.1、電子ブックリーダー「ebi.BookReader」がプレインストールされている程度で、すっきりした構成となっている。TW317A5はビデオデコーダー用プロセッサーも内蔵しており、フルHDビデオの再生が可能としている。
無線通信機能は、IEEE 802.11a/b/g/nとBluetooth 2.1を内蔵する。携帯電話網を使う3G通信機能は備えていない(試作機はSIMスロットを備えていたが、製品では搭載されないとのこと)。バッテリー駆動時間は、最も長いTW217A5で約6時間、最も短いTW117A4で約3.8時間となっている。重さは最軽量のTW217A5で約850gと、iPadよりやや重い(WiFi+3Gモデルで約730g)。
オンキヨーではTWシリーズを皮切りに、スレートPCへの取り組みを強めていくとしている。コンシューマー市場だけでなく、業務用端末としての展開も重視しており、すでに光ファイバー敷設業者の検査用端末としての引き合いがあったり、医療機関から電子カルテ端末としての引き合いがあるなど、Windowsアプリケーションがそのまま動く端末としての利点を生かして展開されるもようだ。
Windows 7のUIそのままでは、タブレット端末として使うのに必ずしも使いやすくない面がある。これについては、サードパーティーの開発者からの関心が逆に高いとして、オープンなWindowsプラットフォームの利点を生かした発展に期待を示している。
各製品は、全国のオンキヨーPC取扱店および同社の直販サイト「ONKYO DIRECT」にて販売される。予想実売価格は、TW317A5が6万9800円、TW217A5が5万9800円、TW117A4が4万9800円となっている。