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ネットに生きる現代の匠“CTO・エンジニア”に聞く 第2回

エンジニアとして組織でモバツイの拡大を狙う

理想のコミュニティ像を追い続ける、マインドスコープ藤川氏

2010年10月20日 09時00分更新

文● 古田雄介

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ケータイ用のTeitterクライアント「モバツイ」を開発したマインドスコープ代表取締役社長 藤川真一氏

 「ネットに生きる現代の匠“CTO・エンジニア”に聞く」と題し、技術のトップとして働くCTOやエンジニアの素顔に迫る連載企画。第2回はケータイやiPad、スマートフォン向けのTwitterクライアントサービス「モバツイ」を開発・運営する藤川真一氏に迫る。ライフスタイルとモバツイを成長させていく過程――開発者“f-shin”として知られた個人時代と、株式会社想創社を設立して企業で運営するようになった経緯、そして、2010年9月に新会社・マインドスコープを立ち上げた展望を伺った。

CTOの7つ道具と生活スタイル

藤川氏の7つ道具

── まずは普段使っている7つ道具を教えてください。

(紹介していただいたのは、メインPCのVAIOとiPhone、デジカメ、ポケットWi-Fi、紙の手帳、通話用とモバツイ用のメイン端末であるauケータイ、サブのNTTドコモケータイの7つ)

藤川  手帳は罫線のない白紙にこだわっています。アイデアをメモしたりマインドマップを書いてみたりするのに使っているんですよ。以前はスケジュールも手帳にまとめていましたが、最近は若干限界を感じています。やはりチームで予定を共有することになるので、Googleカレンダーに移行しようかなと考えているんですよ。

 屋外で仕事の情報をチェックするときには、ポケットWi-Fiが欠かせないですね。ひとつ持っておけば、iPhoneでもパソコンでもネットにつながるので便利に使っています。

 あと、パソコンは、会社を立ち上げたあと、家で使っていた環境をそっくり持ってきました。基本的に仕事をしたければ会社に行くというスタイルで、公私を切り分けたかったんですよね。

液晶ディスプレイはPC付属のものではなく、三菱電機製の1920×1080ドットタイプを愛用。キーボードもRealForceに変更している

── 1日のスケジュールでも、プライぺートのときはモバツイの微調整程度に留めているのがみえますね。

藤川氏のとあるオンとオフのスケジュール

藤川  結局、休日でもモバツイを見たりはしてしまいますけどね(笑)。土日がオフとなりますが、割と外出することが多いです。以前はダラダラと不規則な生活をしていましたが、自宅を引っ越して以来、生活にリズムができた感じです。

プログラマーの腕を身につけてWeb業界に転職

マインドスコープ藤川真一氏。「研究室に一人一台のネットの環境っていうのは僕らが卒業したあとくらい」と、学生時代のネット環境を振り返る

── バックグラウンドとして、いつ頃からプログラミングを始められたんですか?

藤川  中学生の頃ですね。すでに小学校の高学年からパソコンに触れていましたが、中学でファミリーベーシックを知って、プログラミングの基本的な構造がイメージできるようになりました。ただ、まだ本腰を入れるほど興味を引かれていなくて、何か書いてみて、動かなくて、面倒くせー、放置。という、完成までは作らない程度でした。

 それよりも高校時代に知ったパソコン通信にハマりましたね。毎月『ログイン』を買って、ゲームやツールをダウンロードしまくったところ、月に10万円くらい電話代がかかって親に殴られ、一旦距離を置くようになりました(笑)

 バイト代で電話代が払えるようになった大学時代にパソコン通信を再開したんですが、同じ時期に、研究室でロボットを動かすためにC言語を覚えました。ただ、このときもまだ卒論のために最低限の知識を付けただけで、あまり「プログラミングができるぜ」といったイメージはなかったです。

 本格的に取り組むようになったのは、社会人になってからです。最初の就職先がファクトリーオートメーション(FA、工場の生産設備制御)の装置メーカーだったんですが、ここでパソコンを搭載した新製品の開発に携わったんですよ。全部一人でプログラムを作ったのはそれが最初でした。

── その後、2000年に転職されていますね。

藤川  はい。その装置にパーソナルウェブサービス(PWS)を加えるために、HTMLをデジタルハリウッドで勉強したんですよ。そこに特別講師として来られていたWeb制作のベンチャー企業の社長さんに誘われて転職しました。もともとパソコン通信に興味があって、そういうコミュニケーションを提供する会社で働きたかったんですよ。

 ただ、大学を卒業したときはまだそういう業界に進む方法が分からなかったんですね。

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