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ユーザー企業のデスクトップ仮想化実現を支援

シトリックス、コンサル/教育を拡充!CCEE/CCIAを新設

2010年09月15日 09時00分更新

文● 渡邉利和

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9月14日、シトリックス・システムズ・ジャパンは同社のデスクトップ仮想化への取り組み強化の一環としてコンサルティングサービス/教育コース/資格認定などの拡充についての説明を行なった。

2010年はデスクトップ仮想化の年

 シトリックスは、今年冒頭の方針説明会で「デスクトップ仮想化に注力する」ことと、そのための具体策として「コンサルティングサービスや教育などのメニューを拡充する」ことを表明していた。今回も、その方針通りに拡充されたことについて改めて説明が行なわれた。なお、コンサルティングサービスに関してはすでに提供が始まっているものだ。この時期に改めての説明となったのは、実際に経験を蓄積してから、という意図だったという。

「2010年はデスクトップ仮想化の年になる」と語るシトリックス・システムズ・ジャパン代表取締役社長のマイケル・キング氏

 冒頭に挨拶を行なった同社社長のマイケル・キング氏は、「2010年はデスクトップ仮想化の年になる」という認識を改めて表明した。また、この取り組みは市場でも認知されてきているとし、「シトリックスは、デスクトップ仮想化業界のリーダーとして認識されつつある。過去3四半期でシトリックスは全世界でXenDesktopのライセンスを350万本販売した」とデスクトップ仮想化がビジネス面でも成果を挙げていることを明らかた。

 さらに同氏は、「日本市場においても、日本企業の多くがデスクトップの仮想化に本格的に取り組みつつある」とし、その理由として「デスクトップ仮想化はシンプルであり、アジリティを高め、フレキシビリティを確保できる。さらに、セキュアな環境を提供でき、ユーザーはより高い生産性を実現できる」と、ビジネスユーザーにとってデスクトップ仮想化には多くのメリットがあることを強調した。

シトリックス・システムズ・ジャパン サービス本部 本部長の酒井孝雄氏

 続いて登壇した同社のサービス本部 本部長の酒井孝雄氏は同社のサービス本部の取り組みとして、「企業インフラとしてのデスクトップ仮想化を“当たり前”のものにする」という目標を掲げて、「コンサルティングサービスの強化」と「教育サービスの強化」に取り組んでいることを紹介した。

 同氏はまた、仮想化やクラウドの普及によって、企業内のIT部門も企業内のユーザーに対するサービスプロバイダとしての役割が期待されるようになっているという現実があると指摘した。同社のコンサルティングサービスのメニューも、当初はデータセンターなどのサービス事業者を対象として想定していたそうだが、実際には一般企業ユーザーからの反応も高く、求められているサービス内容はサービスプロバイダも一般企業もほとんど違いがないことがわかったという

 こうした状況を受けて、同社がこれまで提供してきた資格認定プログラムも強化される。従来は製品単位での管理・運用技術を習得したことを示す「CCA(Citrix Certified Administrator)」という資格の認定を行なっていた。これに加え、製品横断的に仮想化インフラ全体のシステム管理・運用・保守の技術を習得したことを示す「Citrix Certified Enterprise Engineer(CCEE) for Virtualization」、さらに上位のシステムアーキテクト・設計向けの「Citrix Certified Integrate Architect(CCIA) for Virtualization」といった資格を追加、教育コースと併せて提供開始するとした。

シトリックスの認定資格。アーキテクト資格が最上位の資格となる

 最後に、同社のサービス本部コンサルティングサービス部部長の藤野智宏氏は、実際にコンサルティングサービスを提供した際に得られたノウハウの一部を実際の事例に基づいて紹介した。同氏は、仮想デスクトップサービスを基盤設計を行なう上では、さまざまな選択肢がある一方で、提供の迅速さやシームレスな拡張を可能にするなどの要件を満たす必要もある。そのため、「DaaS(Desktop as a Service)の設計はワンショットでは収まらない」とした。その上で、複雑なシステムを迅速に実現するための手法としては、「ビルディング・ブロック形式のアプローチが有効だ」という。

DaaSの設計について説明するシトリックス・システムズ・ジャパン サービス本部コンサルティングサービス部 部長の藤野智宏氏

 こうすることで、全体設計を変更することなく、必要に応じて任意の規模にスケールできる。同氏はDaaSの設計のポイントとして、「必要なブロックを必要なだけ、仮想化レイヤから抽出して組み合わせる」という手法の意義を強調した。これが、現時点におけるシトリックスのデスクトップ仮想化実現のためのベスト・プラクティスだと理解してよさそうだ。

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