多くの改善点により操作性が向上
「Kindle 3G+Wi-Fi」は、本体の小型化以外にも多くの改善点が見られる。従来本体上部にあったヘッドホン端子が、電源スイッチや音量調整スイッチ、USB端子、マイクロホンと同様に本体下側にまとめられ、操作性が向上している。
また、ページめくりのための「前頁キー」、「次頁キー」が左右対称に2ヵ所配置され、右手左手のどちらでも関係なく扱えるようになり、操作しやすくなった。通常操作では「Kindle 3G+Wi-Fi」で文字を入力する機会の少ないためかキーボードが縦1列分縮小されたものの、カーソルキーの位置改善などにより、実際の操作にはマイナスはほとんどないといえる状態を実現している。
表現力が高いモノクロ電子ペーパー
日本語フォントを標準搭載、しかも3Gネットワークの通信料金が不要となれば、気になるのはウェブアクセスやメール、ニュースサイトやTwitterなどへの対応だろう。そこで筆者は、3G回線を使用して当コラムにアクセスしてみた。
3Gの通信速度は決して高速ではないが、モノクロ電子ペーパーの表現力とも相まって、ウェブのアクセスはすばらしい印象だ。またウェブコンテンツを書籍のように表示変更する「Article Mode」もなかなか興味深い試みだ。
ただし、ウェブやGmail、Twitterを、精細なPC画面のイメージのまま表示しようとすることが、システムに多少の負荷を与えている。また表示文字が小さくて読み辛いという問題も引き起こすが、これはスクリーンの任意部分を拡大する機能などで補える。
フォントを埋め込んだPDFの場合は、従来より高速かつ美しい表示が可能。RSSで提供されているニュースサイトなどの記事であれば、そのまま日本語で読むことができ、極めて快適だ。搭載フォントは1種類ではあるが、文字サイズをリアルタイムで変更でき、同時にディスプレイの縦/横使用も簡単に切り替えられる。コンテンツによって表現の最適化を行なえるのはありがたい。
残るは「仮名漢字変換ソフト」
「Kindle 3G+Wi-Fi」は、日本語フォントが標準で組み込まれたことで、従来のKindleではできなかった多くのことが可能になった。あとは「仮名漢字変換ソフト」さえあれば、無料のネットワーク環境をより大きく生かせるだろう。思わず往年の「HP 100LX」時代を思い出し、”プログラミング・ヒーロー”の登場によるフリーウェアの仮名漢字変換に期待したくなってしまった。
今回の衝動買い
アイテム:Amazon/「Kindle 3G+Wi-Fi」
価格:189ドル(本体)+20.98ドル(発送取り扱い手数料)+10.50ドル(輸入手数料)/2010年8月末時点で、総額1万8650円(Wi-Fiのみのモデルは139ドル)
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
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