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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第14回

高音質と設置性のために、ワンボディを捨てた!?

驚きの進化! リアルなサラウンドが楽しめる「YSP-2200」

2010年09月01日 13時00分更新

文● 鳥居一豊

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ずらりと16個並んだビームスピーカーで
良好なサラウンド感を実現

本体(スピーカー部)前面のビーム用スピーカー。一列当たりの配置数ではもっとも多い

本体(スピーカー部)前面のビーム用スピーカー。一列当たりの配置数ではもっとも多い

 いよいよ音質の実力をチェックしてみよう。YSPシリーズならではのビーム用スピーカーは総数16個。従来は横3列などでビームスピーカーを配置していたが、本機は薄型デザインのため、横一列となっている。一列当たりの配置数が多いほうが、音をビームとして放射する能力は高くなるので、その点では上位機のYSP-4100よりもリア方向の音の再現などでは有利だ。

 逆に不利な点は高さ(上下)方向の調整ができないこと。壁の反射を利用するフロントやサラウンド、サラウンドバックは特に不満を感じなかったが、スピーカーの音を直接聴くことが多いセンターの音、つまり映画のセリフなどの人の声が画面の下から出ていると感じがち。気になる場合は、スペーサーなどを使ってスピーカーの角度を調整するといいだろう。

 そのサウンドはクリアで定位感も良好。リアルな後方の音の再現を含め、サラウンドの再現性はYSP-4100に迫るものとなっている。当初は横一列となった配置に不安も感じていたのだが、持ち味であるリアルなサラウンドの表現は十分優秀で、このクラスのフロントサラウンドタイプのものとしてはトップクラスだろう。

 そして、フロントの音場の奥行き方向の立体感がより良くなっているように感じた。こうした画面の奥行きを感じさせる表現は3D映像とも相性が良さそうだ。

 そして、気になる重低音の再生もまったく不満なし。この低音の力感は当然ながら単体のYSP-4100を上回る。ほどよい量感をもった低音は、映画の迫力も不足なく伝えてくれるし、それでいてぼや~んとダブつきすぎることもないので、音楽ソフトを聴いていても低音感が過剰に感じることもない。

 専用設計だけにビームスピーカーとの音のつながりも良好で、低音だけが突出したり、それぞれの音域がクロスする帯域での音圧不足を感じることもない。

 音質傾向としては、重量感のあるどっしりとした安定したサウンドで、強いて言うなら映画向きの迫力を重視したまとめ方。そのため、クラシック演奏のソフトなどを聴くと、細かな音の変化や微妙な余韻といった表現では上位機に及ばない部分もあるが、スケール感のある雄大な鳴り方で、気持ちよく音楽を楽しめた。


大きくスタイルチェンジしたが
まぎれもなく「YSP」シリーズ

 スタイルがガラリと変わってしまったため、驚く人も多いと思われる本機だが、まぎれもなくYSPの正統進化型モデルと言える。2つになったボディも簡単接続という点でもそれほどのデメリットはないし、設置しやすいので不満には感じないだろう。

 なにより、音質的なメリットを体験すれば、誰もが納得するはず。価格的にも、使い勝手の点でも身近になった新しいYSPはかなり魅力的。すでに設置済みの薄型テレビのレイアウトを変えることもなく、ポンと置くだけで使えて、しかもサラウンドの面白さもしっかり楽しめるようなホームシアター機器を探している人には、特におすすめだ。

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