設定のキモは「DNS」
シリアル番号入力
インストールが完了すると、自動的に再起動が開始され、その後に「ようこそ」画面が表示される。国または地域の選択、キーボードの選択までは通常版と同じだが、次にシリアル番号を入力する画面が現われるので、説明書とともに同梱されているシリアル番号カードを手元に用意しておこう。
既存サーバからのデータ転送
次に表示される「既存のサーバを転送しますか?」画面では、他のMac OS X ServerまたはTime Machineバックアップから、システム設定などのデータを転送できる。本連載は新規購入のMac mini Serverを対象にしているので、ここでは「新しいサーバを設定」を選択した。
ユーザー情報の登録
続く「ユーザ登録」画面では、アップルに送信する個人情報を入力する。通常版では空欄を埋めない限り作業を進めることはできないが、Server版では何も入力しなくてもOK。その後の「ユーザ登録の情報」もアンケート的なもので、スキップしてもかまわない。次の「時間帯」画面は、あえて説明するまでもないだろう。
管理者アカウントの設定
「管理者アカウント」画面では、管理者権限を持つユーザーを登録する。通常版でいうところの最初に登録するユーザーだが、管理者アカウントと明示されていること(通常版は「ローカルアカウントの作成」だ)、リモートログイン(SSH)とリモート管理の有効化を選択できることが、通常版と異なる。
ネットワーク関連の設定
システム環境設定の「ネットワーク」ペインに相当する設定画面も登場する。本連載の場合、いきなりインターネットに公開せず、DNSやファイアウォールの設定を(自宅サーバー向けに)整えてから臨む方針のため、稼働中のブロードバンドルータ(192.168.12.1)にぶら下がるよう設定している。なお、IPアドレスはルータ内蔵のDHCPサーバーから割り当てられたもので、常に192.168.12.2になるよう事前にルーター側で設定を施している。
「ネットワーク名」画面でDNS設定
設定のキモは「ネットワーク名」画面で行なうDNSの設定だろう。前述したとおり当面はインターネットに公開しない方針のため、完全修飾ドメイン名(FQDN)に使用するホスト名とサブドメイン名、ドメイン名(TLD)の要素のうち、サブドメイン名(ex. co、ne、or)は適当なものでいい。TLDについては、ICANNが定める正式なもの(ex. jp、com、org)は使わず、「private」を使うことがMac OS X Serverの流儀だ。筆者の場合、FQDNを「mymini.orz.private」として運用することにした。
Open Directory設定
「ユーザとグループ」では、Open Directoryの設定を行なう。本連載では、LANの他のMacからネットワークログイン可能にするため、マスターとなるよう「ユーザとグループを作成」を選択する。
「サービス」、「クライアントのバックアップ作成」、「メールオプション」
後に続く「サービス」と「クライアントのバックアップ作成」、「メールオプション」の画面は、インストール後にも比較的簡単に設定を変更できるので、そのままスルーしてもかまわない。最後に、「サーバの構成に成功しました」と表示されれば、Snow Leopard Serverのインストールは完了だ。
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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