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賢く情報収集するなら、これからはバーチャルイベントだ!

シャイな日本人向け?ITmedia Virtual EXPOの舞台裏を探る

2010年08月23日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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アイティメディア(以下、ITmedia)は、9月7日~13日まで「クラウド時代を見据えたIT変革の羅針盤」をテーマにした「ITmedia Virtual EXPO 2010」を開催する。このイベントの変わっているのは「Virtual EXPO」という名前のとおり、インターネット上で行なわれるという点だ。今回、TECH.ASCII.jpもメディアスポンサーとして協賛することになったので、このバーチャルイベントについてITmediaに取材に行って来た。

バーチャルイベントって知ってますか?

 バーチャルイベントとは、展示会や見本市、フェアなど実際のイベントのサービスをインターネット上で行なうというものだ。来場者は、インターネット上で講演の視聴や資料収集が行なえるほか、ブース担当者とチャットでコミュニケーションをとることもできる。ITmedia ITインダストリー事業部 バーチャルイベント事業推進部 部長の阿部川 久広氏に聞くと、「米国のバーチャルイベント事業者大手のON24(オン・トゥウェンティフォー)は、ワールドワイドで、すでに年間3万から3万5000件を手掛けています。1日100本近いバーチャルイベントが開催されているのです」とのこと。IT企業だけではなく、医療系、リクルート系、コンサルティング系、学会、トレーニングなど業種や目的も幅広く、認知度も高い。

デモをおこなってくれたITインダストリー事業部 バーチャルイベント事業推進部 櫻井路晃氏(左)、 同事業推進部 部長の阿部川 久広氏(右)

 アイティメディアは、前述したON24のASPを用いて昨年からこうしたバーチャルイベントを展開している。米国で高いシェアを誇るON24とITmediaが提携したのは、昨年の9月。以降、同社は日本で独占的にローカライズやリセールを手がけ、すでに8件のイベントを行ない、ノウハウを蓄積してきた。年末までに20件程度のイベントを計画しているという。

 来場者から見たバーチャルイベントのメリットは、なんといっても時間と場所の制約を受けないという点だ。大きな展示会に参加するのを考えると、電車やバスでまず会場に行き、案内図を見ながらブースを歩き回り、講演やセミナーに足を運ぶ必要がある。一日参加したら、終わる頃にはクタクタだ。一方、バーチャルイベントは、好きな時間にイベントに参加できるし、場所も関係ない。今まで東京のイベントに時間をかけて参加してきた地方の人には福音といえる。あとは「たとえば資料をもらい忘れるということもなくなります。キーワードやカテゴリなどで効率的に情報を収集できます」(阿部川氏)といったメリットもある。

今年の春に開催されたクラウドコンピューティングフォーラム

 一方で出展者側のメリットは、まずコストを抑えられるという点が挙げられる。フィジカルイベントの運営でかかる人件費、機材費、工事費などの費用を大きく抑えられるため、相対的に安価にイベントと同様の効果を得ることができる。また、ON24では来場者の行動履歴を細かくとれるのが大きなメリットとなっている。「イベントの参加は無料ですが、入場するために来場者様にはかなり細かい属性情報まで登録していただきます」(阿部川氏)とのことで、このユーザー情報を元に、行動履歴や資料の接触頻度をトラックする。出展者はこれらの数値を分析し、精度の高い見込み客に適切な情報を提供することで、セールスやPRにつなげていけるわけだ。

誤解だらけのバーチャルイベント

バーチャルイベントのショールームの様子。アドビのFlexを使ったスムースな動きが特徴

 では、バーチャルイベントとはどんなものだろうか? ここまでの説明を聞いて、上の画面を見れば、多くの人は「セカンドライフ」を思い浮かべるだろう。3Dの人形をグリグリ動かして、まさにバーチャルな展示会場を動き回り、リアルイベントのような感じでひいこら情報収集にいそしむ……といった感じ。でも正直いって操作が面倒くさそうだし、臨場感とかやっぱりイマイチ? チャットを使ってコミュニケーションといっても、やっぱり照れるよなあ。だいたい、こんなバーチャルイベント、ゲームみたいで会社から参加できないよ……など食わず嫌いやバイアスがかかるかもしれない。私もそんなイメージを描いていたが、阿部川氏はこうした誤解をきちんと解きほぐしてくれた。

 まず実際のバーチャルイベントはセカンドライフとはずいぶん違う。見た目はリアルのイベント会場だが、これはあくまでユーザーインターフェイスを模しているだけと考えてよい。別に会場に立っている説明員が語りかけてくるわけでもないので、シャイな日本人でも安心というわけだ。アバターを動かすわけでもなく、あくまで会場にいる気分で、資料やホワイトペーパーを集めたり、講演を視聴すればよい。

 チャットの利用に関しても、「日本でのTwitterの利用率の高さを見れば、チャットが使えないということはないと思います」(阿部川氏)とのことで、当初低かった利用率もどんどん上がっているという。今度のITmedia Virtual EXPO 2010では、TwitterやFacebookなどのSNS系も積極的に取り込んでいくとのことだ。

 また、会社からこういうイベントに参加できないのでは?という疑問に関しては、「たまたまパスワードの発行がちょっと遅れてしまったことがあり、その来場者様からは『10時から会議室で皆で集まって視聴するのだから、全員分のアカウントがないと困ります』とおしかりを受けたことがあります」(阿部川氏)という話をしてくれた。つまり、個々のPCから空き時間にイベントをのぞくのでなく、会社の業務として、時間と場所をとってバーチャルイベントに参加する企業も存在しているということだ。さらに臨場感に関しては、「フィジカルイベントに部分的に勝てないのは当たり前」(阿部川氏)ということで、そこは強調していない。フィジカルイベント開催後のフォローとしてバーチャルイベントを活用して相乗効果を狙うなど、バーチャルイベントならではの利点を活かす方がむしろ良策とのことだ。

 総じて、こういうバーチャルイベントの仕組みを考えると、一番近いのは同社のメディアのなかではTechTargetのような会員制のターゲットメディアだ。プロフィールなどを登録し、必要な資料を集めるという意味では、バーチャルイベントと大きく変わりない。ただ、バーチャルイベントの方は、期間が限られ、テーマもより限定的になっているわけだ。

 ということで、ITmedia Virtual EXPO 2010の開催はもうすぐ。残暑厳しい折、今年はバーチャルイベントで賢く情報収集してみるのはいかがだろうか?

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