WorldClockサンプルでのダイアログボックス
WorldClockでは、ダイアログボックスを3ヵ所で利用しています(ソースコードは第6回を参照)。1つはメイン画面(WorldClock.java)でアイテムを長押ししたときに表示されるもので、残りは、アイテムの編集画面(EditItem.java)で使っています。アイテムの編集画面では、AlertDialogだけでなく、ProgressDialogを使い、時間のかかる処理(タイムゾーンのソート)をしている間に表示を行わせています。
それぞれを見ていくことにしましょう。まずは、メイン画面での長押しの部分です。
@Override
public boolean onLongClick(View v){
Integer item_index = (Integer)v.getTag()-1;
AlertDialog.Builder ad = new AlertDialog.Builder(this);
ad.setTitle(myS(R.string.long_click_dialog_title));
LongClickMenu lc = new LongClickMenu(item_index);
ad.setItems(R.array.LongClickMenu,lc);
AlertDialog alert = ad.create();
alert.show();
return true;
}
WorldClock.javaでは142行目からになります。このonLongClickは、ビューの長押しに対応して呼び出されるイベントハンドラで、これが呼び出されるためには、対象のビューのプロパティでLong clickableがtrueになっている必要があります。WorldClockでは、アイテム自体のビューは、res/layout/item.xmlで定義されています。
アイテムのどれかが長押しされたとき、その番号を持ってこのイベントハンドラが呼ばれます。そこで、ダイアログビルダーを使って、タイトルや表示するアイテムなどをセットしてダイアログを表示させています。ダイアログボックスは、複数の選択肢を表示してそのうちの1つだけを選択するリスト形式です。
表示する要素は、setItemsメソッドを使い、res/value/arrays.xmlで定義されているLongClickMenu配列を使います。つまり、この配列にある文字列要素がリストの1つ1つの要素になります。これに対して、別に定義しているLongClickMenuオブジェクトをイベントハンドラとして定義しています。最初のパラメータは配列(のリソースID)を受け付けますが、2つ目のパラメータは、配列ではないことに注意してください。リストのどの要素をクリックしても、同じイベントハンドラを呼び出すことしかできません。
このLongClickMenuは、生成するときに、コンストラクタでどのアイテムに対する処理なのかを指定してあります。なお、動作としては、ダイアログボックスが表示され、アイテムがクリックされると、ダイアログボックス自体は閉じるようになります。
このLongClickMenuの定義は以下のリストです。WorldClock.javaだと159行目からになります。
private class LongClickMenu
implements DialogInterface.OnClickListener {
private int myIndex;
public LongClickMenu(int t){
myIndex=t;
}
@Override
public void onClick(DialogInterface dialog, int which) {
Context myContext = getApplicationContext();
switch(which) {
case R.id.LongClickSetTZID & 0x000000ff:
// set TZ
String temptz = items.get(myIndex).mTZ.mTimeZoneID;
AlarmManager am = (AlarmManager) getSystemService(ALARM_SERVICE);
am.setTimeZone(temptz);
if ( "1".equals(Settings.System.getString(
getContentResolver(), Settings.System.AUTO_TIME)) ) {
Toast ts=Toast.makeText(myContext,myS(R.string.if_auto_setting),
Toast.LENGTH_LONG);
ts.show();
}
break;
case R.id.LongClickSetHomeID & 0x000000ff:
// set Home
for(TzItem x:items){ x.setHome(false); }
// and set it.
items.get(myIndex).setHome(true);
if (myPrefs.getBoolean(myS(R.string.prefs_home1st), false)) {
for (TzItem x:items){ root.removeView(x.myView); }
// and move to top
moveto(0,myIndex);
for (TzItem x:items){ root.addView(x.myView); }
refresh();
}
break;
case R.id.LongClickUpID & 0x000000ff:
// up
if ((myPrefs.getBoolean(myS(R.string.prefs_home1st), false))
&&(myIndex == 1)){
Toast.makeText(myContext,myS(R.string.move_cannot_home),
Toast.LENGTH_SHORT).show();
break;
}
if (myIndex > 0) { // if item_index is top(=0) then nothing
for (TzItem x:items){ root.removeView(x.myView); }
moveto(myIndex-1,myIndex);
for (TzItem x:items){ root.addView(x.myView); }
refresh();
} else {
Toast.makeText(myContext,myS(R.string.move_cannot),
Toast.LENGTH_SHORT).show();
}
break;
case R.id.LongClickDownID & 0x000000ff:
// down
if (myPrefs.getBoolean(myS(R.string.prefs_home1st), false)
&&myIndex == 0){
Toast.makeText(myContext,myS(R.string.move_cannot_home),
Toast.LENGTH_SHORT).show();
break;
}
if (myIndex < items.size()-1) {
// if item_index is top(=0) then nothing
for (TzItem x:items){ root.removeView(x.myView); }
// and move to top
moveto(myIndex+1,myIndex);
// and add to root
for (TzItem x:items){ root.addView(x.myView); }
refresh();
}else {
Toast.makeText(myContext,myS(R.string.move_cannot),
Toast.LENGTH_SHORT).show();
}
break;
default:
// error
break;
}
save_all();
}
}
このクラスはDialogInterface.onClickListenerを継承しており、ダイアログ上のメニューがクリックされると、その番号がwhichに入って呼び出されます。whichはゼロから始まる整数で、setItemsで指定した配列のインデックスに相当します。
このリストのswitch文ですが、ちょっと変則的です。リストに表示された項目をクリックすると、0から始まるインデックスが来るわけですが、通常は、これをそのまま書くか、予め定義しておいて、変数(定数)名とするかなんですが、ここではids.xmlで定義した整数のidを使っています。
ids.xmlを編集するエディタで、Itemを追加すると、TypeやFormatを指定することができます。Typeで「id」を、Formatで「integer」を指定すると、下位16bitにvalueが入ったユニークな値を作ることができます。生成される値はR.idクラスで「public static final int」として定義されます。
こういうidは、ローカルに定義してしまってもいいんですが、定数定義がいっぱいあるのも煩わしいし、コード上は、定数であると理解できるので、idの下位8bitだけを取り出して、比較させてみました。もともと、いろいろと実験するためのコードだったので、これがベストというものではありません。
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