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「対GoogleのSEOもやる」Yahoo! JAPAN提携の中身 (1/2)

2010年08月03日 15時38分更新

文●小橋川誠己/Web Professional編集部

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 「Googleとの提携はややこしい内容だったようだ。正しく理解されていないことも多いようなので改めて説明したい」。8月2日、ヤフーが開いた報道関係者向け説明会の冒頭、同社の井上雅博社長はこう口を開いた。

 7月27日、ヤフー(Yahoo! JAPAN)は米グーグル(Google)との提携を発表した。提携内容は既報のとおり(関連記事)、GoogleがYahoo! JAPANに対して検索エンジンと検索連動型広告の配信システムを提供。Yahoo! JAPANはGoogleに対してオークションやショッピングなどの自社サービスのデータを提供し、Googleは検索結果に反映させる。

 井上社長が「正しく理解されていない」というのは、GoogleからYahoo! JAPANに提供されるのがオーガニック検索の「エンジン」であり、検索連動型広告の「配信システム」にとどまっている点だ。Yahoo! JAPANの検索結果画面のうちオーガニック検索が占める割合は「半分から3分の1程度」(井上社長)で、残りは自社サービス(Yahoo!地図、知恵袋など)の検索結果を混ぜて表示している。このため、「Googleから検索エンジンの提供を受けても検索結果画面は相当違うものになる」(井上社長)という主張だ。

「Googleから提供を受けるのは検索結果ページの一部」と説明する井上社長。たとえば「六本木 ラーメン」で検索するとファーストビューに表示されるのはYahoo!地図とローカル情報で、こうしたカスタマイズはGoogleへの切り替え後も続けるという

 検索連動型広告もあくまでバックエンドの配信システムの切り替えにとどまり、「スポンサードサーチ」のブランドは継続する。顧客情報はGoogleと共有せず、広告掲載基準や独自の事前審査も従来のまま。「AdWordsとスポンサードサーチは今後も競争する」(井上社長)。ディスプレイ広告や、Yahoo! JAPANが自前で開発した「インタレストマッチ」もそのまま継続する方針だ。

 「Googleのシェアが9割になり情報支配が心配」「多様性が失われる」――。そんな新聞報道の論調を意識してか、井上社長は「変わらないこと」を強調する。



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