削除……というより無効化でKEXTを取り除く
実際のところ、ドライバーなどとして配布されているKEXTの多くは、インストーラーにより導入処理が行なわれる。アンインストーラーが付属している場合は、できるかぎりそれを使用すべきで、手動での削除はかなり危険な行為といえる。必ず事前にTime Machineなどでバックアップを作成し、「At Your Own Risk」で臨んでほしい。
まずは、KEXTをメモリー上からアンロードする手続きを行なう。利用するコマンドは「kextunload
」、管理者権限でなければ実行できないため、sudo
コマンドと組み合わせて利用する。先ほど調べたKEXTのフルパスを引数として与えればOKだ。
$ sudo kextunload /System/Library/Extensions/RBIOKitHelper.kext
これで、/System/Library/Extensions
ディレクトリーから該当のKEXTを削除できる準備は完了するが、KEXTを外したことで不具合が生じる可能性を考え、削除ではなく「無効化」したほうが無難だ。筆者は以下のとおりmv
コマンドでリネームしたが、他のディレクトリーに移動する方法でも構わない。あとでトラブルが発生したときわかりやすいよう、「Obsolete_KEXT」などといった名前のディレクトリーに保存しておけば安心だろう。
$ cd /System/Library/Extensions
$ sudo mv RBIOKitHelper.kext RBIOKitHelper.bkup
KEXTを書庫化するなり移動するなりしたあとは、以下のコマンドを実行しておこう。これで、大量のKEXTをロードするときの時間を短縮するためのキャッシュファイルが再作成されるので、システムを再起動すれば全作業は完了だ。
$ sudo rm /System/Library/Caches/com.apple.kext.caches/Startup/Extensions.mkext
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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