就職活動もウダーのために
―― というわけでウダーのインターフェース部分はひとまず完成したわけですが、宇田さんは大学卒業後どうしましたか?
宇田 田舎に帰ってニートをしていました。
―― monotronを作ったコルグのエンジニアは、学生時代に自作したシンセを持って入社試験を受けに行ったらしいですけど、そういうことはしませんでしたか?
宇田 実は私も学生時代に就活を経験しておかなければと思って、ある楽器メーカーを受けに行ったことはあります。その時にウダーを持って行きました。
―― えーっ、そうなんだ! で、結果は?
宇田 すごい興味を持ってもらいましたけど、話は来なかったですね。「入社してウダーの活動が出来ないんだったら入れません」みたいなことを私が言ったせいでしょうか。
―― ああ、それは仕方ないでしょうね……。
宇田 あんまりわがままなことを言うと雇ってもらえないんですね。
―― はははは。
宇田 でも、そろそろ社会と関わり合いを持ちたいと思い、大学の後輩からサイプレスのPSoCセミナーに来ないかと言われ、PSoC 3というすごいICが出るという話を聞いて、それで入社を決めました。これはウダーに使えるなと思ったんです。
―― でも去年辞めたんですよね? 辞める時って不安じゃないですか? お金とか。
宇田 もともと物欲もありませんでしたし。そんなに心配はしていませんでした。
―― いまはどんな仕事を?
宇田 サイプレス認定のコンサルタントをしています。主にプログラミングですね。3ヵ月くらい仕事をしていなかったので、そろそろ仕事をしないといけません。
―― なぜ仕事をしていなかったんですか?
宇田 ウダーに集中したかったんですね。Makeのイベントにウダーの新バージョン4を展示しようと思って。
―― あれっ、でもあの時、新型のウダーなんて出てましたっけ?
宇田 頑張ったんですが、間に合いませんでした。
―― わははは。バージョン4は何が違うんですか?
宇田 さわった感じは今のバージョン3.3とまったく同じなんですが、センサー周りの構造を変えて、安定して良いセンサーが作れるようにしました。
―― 問題だった歩留まりが向上したと。
宇田 歩留まり以前に、Makeに出せませんでしたけど。
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