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サーバー証明書の半額で、実在証明やマルウェア検出&レポートなどを提供

日本ベリサイン、“信頼性できるサイト”を明示するシールを発売

2010年07月28日 09時00分更新

文● 渡邉利和

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7月27日、日本ベリサインはWebサイトに信頼性を付与する「VeriSign Trust Seal」の国内企業/団体向けの発行を開始すると発表した。価格(税込)は4万1580円で、1年間有効。当初はパートナーを通じての販売のみとなる。

SSL抜きのサーバー証明

 同日行なわれた発表会では、まず同社社長の古市克典氏が登壇。販売価格について「従来ベリサイン・ブランドで販売していた製品/サービス中でもっとも安価だったサーバー証明書の価格のさらに半額」と語り、導入のしやすさに配慮したことを強調した。同氏の社長就任から2年2カ月ほどが経過したそうだが、その間社内体制などの整備に取り組み、「ようやく新製品を投入できる体制が整った」という。

日本ベリサイン代表取締役社長 兼 最高経営責任者(CEO)の古市 克典氏。NTTや日本ルーセント・テクノロジー、PRTMマネジメント・コンサルタントなどを経て、2008年4月に日本ベリサインの社長に就任した

 実際同社は6月以降、ツールバー型ワンタイムパスワード「VIP Access Toolbar」、「新gTLD支援サービス」、「スマートフォン向けワンタイムパスワードのソフトウェア開発キット」、セキュアスカイ・テクノロジーが開発したSaaS型ウェブアプリケーション・ファイアウォールサービス「Scutum」、ケータイラボラトリーとの協業による「携帯電話端末のSLL接続確認サービス」と、矢継ぎ早に新製品/サービスの販売を開始している。今回のVeriSign Trust Sealは、こうした新製品ラッシュの中でも目玉と位置づけられるものだという。

 同氏は、従来の同社の取り組みが「セキュリティ、使い勝手、コストの3要素のうち、特にセキュリティに注力してきたが、セキュリティはほぼ達成できたので、今後は使い勝手の良さや低コストという面にも力を入れていく」と語った。

日本ベリサインSSL製品本部 上席部長平岩 義正氏

VeriSign Trust Sealは何のため?

 続いて、同社のSSL製品本部 上席部長の平岩 義正氏がVeriSign Trust Sealの概要を紹介した。同氏は、VeriSign Trust Sealが提供する信頼として、「ベリサインによる認証」「マルウェア検出&レポート」「シール・イン・サーチ」の3点を挙げる。

 ベリサインによる認証とは、従来のSSLユーザー向けのサーバー証明書と同様の実在証明などがベリサインによって行なわれることを指す。個人情報の入力などを求めるサイトであれば、SSLを導入することが望ましい。しかし、特に個人情報などを要求しない、情報提供サイトなどではSSLの導入までは必要ないが、サイト/サイトの運営企業の信頼性を第三者による認証によって明らかにしたい、という需要に応えるものだ。

 マルウェア検出&レポートは、従来のSSL用のサーバー証明書にはなかった新たな機能で、Webサイト側がマルウェアに感染しているかどうかをベリサインが確認するものだ。猛威をふるうGumblar(ガンブラー)など、Webサイト側に感染することでサイトを訪問したユーザーに被害を及ぼすマルウェアが出現している。こうしたマルウェアが検出された場合、VeriSign Trust Sealが一時的に非表示になり、Webサイト管理者に対応を促すメールが送られるという。

「VeriSign Trust Seal」。Webサイトに信頼性を付与するという

 最後のシール・イン・サーチは、検索サイトで表示される検索結果の画面に、VeriSign Trust Sealが表示されることで、ずらっと並んだ候補サイトの一覧の中から、ユーザーが信頼できるサイトに対するリンクを一目で選び出せるようになるというもの。ただし、現時点ではこの機能に対応しているのはAVG Technologiesの「AVG LinkScanner」のみで、日本国内ではあまり普及していないという問題もある。この点について同社では、他のセキュリティベンダーなどとの連携を強化していく意向だ。

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