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SUPER GTに痛車が参戦! 初音ミク×GSRポルシェ密着レポート 第27回

新生ミクポルシェ、予選は14位で通過もSL進出はならず!

2010年07月25日 03時39分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 ●撮影/鉄谷康博、編集部

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SUGOいぜ! ニューミクポルシェ!

 長かったのか短かったのか。5月の富士戦以降、セパンをスキップし、今回のSUGOでデビューとなったニューミクポルシェ。2ヵ月という時間は、余裕がありそうだがレースの世界ではあまり余裕がない。SUPER GTではテスト走行も厳しく管理されるので、GT300クラスに合わせたセッティングを決められないままレース当日を迎えた。

走行写真は次のページで大放出するぞ

 公開車検からたくさんのファンが詰めかけ、ポルシェジャパンの関本氏だけでなく、ドイツ・ヴァイザッハから再びゲルト・シュミット氏が来日するなど、関係者からも大いに注目を集めていた。なんといってもアジア地区で初めて走るクルマなのだ。GSR関係者だけでなく、他のチームからも注目されていたのは言うまでもない。

ヨーロッパではすでに数々の栄光に輝いているGT3Rだが、アジア地域ではこれが初めの一歩となるので、本国からも関係者が続々来場! すっかり痛車化された姿に、一瞬「oh!」と驚いた顔をしていたとか(笑)

 車検が終わり、1時間45分間走ることができる公式練習走行が始まった。最初は佐々木選手からの出発。最高速度はいきなり上位陣に食い込む216km/h。タイムもまずまず。その後、番場選手に交代しセッティングを探りながら走り、再びピットイン――こまめにピットに入り、両ドライバーがニューマシンの感触を確かめた。そのまま大きなトラブルもなくチェッカーを受け、予選に備える。
 佐々木選手はこのときの様子を「カナードを外したことによる、ドライビングへの影響は少ないと思う。でもコーナリングに違和感が……。気のせいかもしれないけど」と語っている。なお、練習走行でのベストタイムは番場選手が「1'26.322」、佐々木選手が「1'26.246」と、地元・佐々木選手のほうがちょっとだけ速かった。

筆者はSUPER GTを観戦して5シーズン目になるが、公開車検を見たのが今回が初めて。これまでは交通機関の都合で時間的に間に合わなかったり、起きられなかったり(笑)、なんだかんだと見逃してきたが、さすがに今回ばかりは見ておかねばと意気込んで、現場での雰囲気を味わった

新型車が必ず受ける洗礼「レスキュー訓練」。もしものときにオフィシャルが迅速に行動できるように、新型車は公開車検時に時間をとって練習をするのだ

 “蒸し風呂の中の満員電車”状態となったピットウォークを挟み、いよいよ公式予選1回目である。ここでは8位以内のベストタイムを出せば、テーマ曲を流しながらのスーパーラップ(予選2回目)に進出できる。否が応でもファンの期待は高まる。最初の25分間はGT500と300クラスが併走なので、ここでタイムを出すのは厳しいだろう。狙うはGT300の占有走行。遠く幕張から安藝社長の応援も入り(ツイッターで)、チームにも緊張感が走る。

 予選で最初のステアリングを託されたのは佐々木選手。先日、2回目のテスト走行でかなりの時間GT3Rで走り込んだので、かなりレーシングポルシェに慣れてきているようだった。4周目で「1'27.165」というベストタイムを出し、余裕で基準タイム「1'30.493」をクリア。5周走ったところで番場選手にバトンタッチした。

 誰もがSBT(スーパー番場タイム)の発動を期待したが……。調子が出てきたかな、というときに#666 BOMEXがコースアウトして赤旗中断となり、GT500との混走タイムはそのまま終了。ちょっと時間が押したため、GT300クラスの占有走行から再スタートすることになった。だが、占有走行の時間は約10分。わずか数周でタイムを出さなければならないのだ。最初こそあまりタイムがでなかったが、徐々にタイムアップしていく番場選手。上位陣に食い込める25秒台を出し、ついにSBT炸裂! と思ったら今度は#3 HASEMI Zがコースアウトして再び赤旗、そのままGT300の占有走行時間が終了してしまったのだった。

 今回、ミクポルシェと同じく久々の参戦となったレガシーB4がトップタイムを出したのには驚かされた。また、80kgのバラストを積んでいるはずのRX-7が3位、エヴァとシンジくん(ドライバー)のシンクロ率が400%になったのかエヴァカローラが2位、そして相変わらずタイトでテクニカルなコースに強い紫電が1位で予選1回目は幕を閉じた。スーパーラップではARTA ガライヤがベテランの意地を見せRX-7を押しのけて3位に浮上、1位と2位は変わらず、という結果であった。

 ミクポルシェの予選結果は14位で、明日は14番グリッドからのスタートとなる。大橋監督は「ニューマシンが初めて走るサーキットとはいえ、こんなに個人スポンサーの方々が応援しにきてくださっているのに、この結果は悔しい。今日取れたデータを活かして、決勝は順位を上げる」とコメント。

 番場選手に予選での感想を聞くと「正直なところ、セッティングが完全に出せてないこのマシンでスーパーラップはまだ無理だと思っています。でもやっぱり出られなかったのは悔しい。あまり乗る時間がなかったので、僕も佐々木選手もまだニューマシンへの理解が足りないんだと思います。でも、マシンのポテンシャルは高いし、今日のタイヤは悪くなかったので、明日はシングル順位を目指します!」と心強い約束をしてくれた。ちなみに、佐々木選手にも目標順位を聞いたのだが、「シングルです!」と偶然にも同じ答えだった。

 SUGOはパッシングポイントが少なく、コーナーで荒れやすいので、事故に巻き込まれずにうまく順位を上げてシングルフィニッシュを期待したい。応援に行く人は、何度も言うが熱中症対策を必須で!

(次のページへ続く)

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