音楽をオープンソースにしてみたらどうなるか
―― 今回のリリースですが、ある意味、コンピュータのソフトウェアエンジニアらしいやり方で分かりやすいんですが、一般向けには説明が必要だろうと思います。
Denki まず僕がアルバムを作ったとして、プロモーションをどうすべきなのか。そこからこのアルバムはスタートしたんですね。それに沿って構成やコンセプトも考えていかなければならない。それで音楽というものをオープンソースにしたら何が起るだろうと考えました。
―― ソフトウェアの世界では常識的な手法ですよね。
Denki そうですね。重要なのは、ソースを受け取った人が派生物を作りやすいということ。それによってユーザーが増えて、情報が共有され、さらに使いやすくなるという仕組みなわけですから。皆が自由にソースを使えるライセンスが必要、ということですね。
―― それでクリエイティブ・コモンズと。
Denki アルバムの原盤に関してはレーベル側が独占的に権利を保持しているわけですが、その原盤を作るために使ったAbleton Live※のプロジェクトファイルに関しては、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで配ることにしたんです。
―― LOiDレーベルが売るCDも、JASRACのような著作権管理屋さんには無登録ということですよね。
Denki まったく何もしていません。
―― クリエイティブ・コモンズのライセンス形態もいろいろありますが。
Denki 著作者の表示を義務づける、商用利用はオーケーというヤツです(Attribution 3.0 Unportedライセンスのこと)。
―― 派生作品が元の作品のライセンス形態を保持しなければならないという制限は?
Denki それをしなくてもいいという選択をしました。
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