このページの本文へ

四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第31回

CDにする前の音楽データ、無料でどうぞ Denkitribeさんの挑戦

2010年07月24日 12時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

音楽をオープンソースにしてみたらどうなるか

―― 今回のリリースですが、ある意味、コンピュータのソフトウェアエンジニアらしいやり方で分かりやすいんですが、一般向けには説明が必要だろうと思います。

Denki まず僕がアルバムを作ったとして、プロモーションをどうすべきなのか。そこからこのアルバムはスタートしたんですね。それに沿って構成やコンセプトも考えていかなければならない。それで音楽というものをオープンソースにしたら何が起るだろうと考えました。

Ableton Liveのプロジェクトデータ、トラックファイル、MP3の楽曲ファイルがダウンロード出来る。現在は1曲だけだが、順次追加され全曲分のデータが揃うという

―― ソフトウェアの世界では常識的な手法ですよね。

Denki そうですね。重要なのは、ソースを受け取った人が派生物を作りやすいということ。それによってユーザーが増えて、情報が共有され、さらに使いやすくなるという仕組みなわけですから。皆が自由にソースを使えるライセンスが必要、ということですね。

―― それでクリエイティブ・コモンズと。

Denki アルバムの原盤に関してはレーベル側が独占的に権利を保持しているわけですが、その原盤を作るために使ったAbleton Liveのプロジェクトファイルに関しては、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで配ることにしたんです。

頒布されるプロジェクトファイルを開いたところ、シーケンスデータやサンプリング音源までの一式を含んでいた

―― LOiDレーベルが売るCDも、JASRACのような著作権管理屋さんには無登録ということですよね。

Denki まったく何もしていません。

―― クリエイティブ・コモンズのライセンス形態もいろいろありますが。

Denki 著作者の表示を義務づける、商用利用はオーケーというヤツです(Attribution 3.0 Unportedライセンスのこと)。

―― 派生作品が元の作品のライセンス形態を保持しなければならないという制限は?

Denki それをしなくてもいいという選択をしました。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン