どうでもいいんですよ、使ってる人なんて
―― プログラムをつくってて、楽しいですか。
小池 アテンション(注目)が集まるのは楽しいですね。
社長 数の大きさは気にしないよね。(プログラムを)何人が使ってるとか。
―― とはいえ1万人が使ってますよね、四時。すごくお金がかかると思うんですけど。
小池 はい。お金はないです。
―― プログラムはお金にならないんですか。
小池 1円にもなってません。ハードウェア代だけで大赤字です。
―― さっぱりダメじゃないですか。
小池 でも、「四時」とかは人に言われてつくったものなので、その人から止めていいと言われるまでは、止められないんですよ。
―― 人気プログラムをつくったときのノウハウなんかは役立つんじゃないですか?
小池 「四時」の知識とかは何の役にも立たないです。1秒間に1200回アクセスするとかないですよ、普通。ツイッター社の規定に反してたりして、当局に通報されたら問題になるレベルです。
―― そんなすごいんですか、四時。
小池 アクセスが常軌を逸してるんで。「四時」が1秒間にアクセスする量って、サッカーで日本がゴールしたときのツイートの量の3分の1くらいなんですよ。「四時でこういうことやったらいいんじゃねーの」と言う人がいるけど、無理なんですよ。大きすぎて。
―― だれかと手を組んだりしないんですか。ひとりで1万人じゃきついでしょう。
小池 自分でやるか、お金の儲かる話にするしかない。おもしろいだけじゃ人は動かないんで。でも、四時に広告を入れればいいって考えたとしますよね。そんなことしたら、自分の評判はおろか、自分がはたらいてる会社の評判まで落としますよ。
―― それは「オレの見せようとしたものとはちがう」という美学で?
小池 つくったことで意味のないスパム(迷惑)発言が増えるのは最悪だなと。自分の思ってたのと違う使われ方をするのは、ものをつくったときのおもしろさだと思うんですけど。四時も、開発したときは1万人が使うとは思ってなかったですし。
―― なるほど。小池さんが考えてるのは、使ってくれてる人のことじゃなくて、使ってない人のことなんですね。
小池 どうでもいいんですよ、使ってる人なんて。仕事なら「ユーザーのこと」を考えなきゃいけないですけど。こっちは趣 味なんで。自分が楽しけりゃなんでもいい。でも、他人に迷惑をかけてたら最悪じゃないですか。何が迷惑かは僕が考えますけど。僕の基準で。