6画面ディスプレーのデモに注目が集まる
メーカーブースでは、AMDの展示が目立っていた。7月中旬から発売される6画面マルチディスプレー「MD230x6」と「Radeon HD 5870 Eyefinity 6 Edition」を搭載したマシンを組み合わせたデモを披露していたのだ。
つなぎ目の小さい6画面ディスプレーで、レースゲームの「コリン・マクレー:ダート2」をプレイできるのだが、さすがに半端ではない迫力。高校生の2人組がブースに来るなり、「でらかっけーじゃん!」と感動していた。AMDの担当者によると、「秋葉原では展示しているのですが、地方で展示するチャンスはあまりなく、楽しんでいただいています」とのこと。
マイクロソフトはWindows 7とOffice 2010を打ち出していたが、展示は「窓辺ななみ」をモチーフにしたデコ天板。PCに貼るデコ天板が単体で展示されていた。ワールドカップカラーのユニフォームに身を包んだスタッフがアンケートを採っていて、担当者は「窓辺ななみ(のデコ天板)を取り上げることで、女性などの新しい層を取り込みたい」と言っていたが、本気だろうか?
そのほかにも、PCパーツメーカーから、発売前の製品も含めた製品展示が行なわれていた。
ベンチマークコーナーでは恐ろしいPCが動作していた。CPUのCore i7-980Xを4.5GHzにオーバークロックしながら、常用できるレベルに安定させているのだ。CPUは水冷で、温度はアイドル時で31度程度。GPUはRadeon HD 5870を2枚でCrossFireを組み、ストレージにはインテルの高速SSD「X25-E」を4枚使用したRAID 0を構築している。筐体外にはみ出た水冷ラジエターでは12cmのファンが4つ回り、水冷システムには各種メーカーのパーツをいいとこどり。ざっと100万円はかかっているモンスターPCだ。
また会場には、PC自作を体験できる「自作体験コーナー」も用意されていた。ここは朝からずっと人が途切れず、来場者はCPUクーラーの設置方法などを教えてもらっていた。CPUやメモリー、グラフィックスカードの装着から、電源の接続まで体験できるのだが、初心者で長い人では、30分も熱心に聞き入っている。「インテルしか触ったことがないので、AMDも触らせてください」という中級者から、ヒートシンク付きのメモリーがなんなのかわからないビギナーまで、皆楽しんでいたようだ。
自作体験コーナーは秋葉原でのイベントでも開かれていたが、名古屋との違いを担当者に聞いたところ、「秋葉原であれば、まず座って『さぁ触らせて』となりますが、こちら(名古屋)だと『触りたいな』と遠巻きに見ているところが奥ゆかしいですね。直接パーツに触れる機会が少ないからか、積極性が違うように感じました」という。また、意外にもシニア層で興味を示す人が多く、PC自作の浸透ぶりがうかがえる。
午後のイベントでは、1時間ごとに4回のセミナーが開催された。トップバッターを務めたNVIDIAの高橋一則氏による講演では、NVIDIA製品の最新情報と3D Visionについてが説明された。AMD、マイクロソフト、そしてインテルの「神様」こと天野伸彦氏による講演も行なわれた。すべての回が定員いっぱいとなるほどの盛況ぶりだった。
悪天候のわりには午後からたくさんの人が来場し、活況を呈したイベントであった。イベント会場のスペースの問題からか、物販ブースがないのは残念だが、来場者がいろいろな新製品に触れられる貴重なイベントと言えよう。各ショップのブースでは、割引券なども配布しており、帰りに大須のパーツショップに寄った人も多いだろう。
さて来年は名古屋と秋葉原のどちらでやるのだろう。意外と大阪日本橋かもしれない。次回があれば近隣の自作派PCユーザーは、ぜひ足を運んではいかがだろうか。