タブ譜・スコア編集ソフト「Guitar Pro 6」が株式会社イーフロンティアより発売となった。今回のレビューではこのソフトの使い勝手について見ていこう。
マルチ・プラットフォーム対応に!
非公式ながらUbuntuでも動く?
「Guitar Pro」のファイル形式となる「.gpx」は、タブ譜の標準ファイルフォーマットだ。全世界の多くのユーザが、インターネットサイトで数万にも及ぶ楽曲データを公開しており、ダウンロードして利用できる。もちろん、譜面はオリジナルで作成していくこともできるのだが、Guitar Proのスゴいところは、このように公開されている豊富な楽曲データを入手し、それを元に自分なりにアレンジができることだ。音階はもちろん、リズム、音色、サウンド・エフェクト、アンプサウンドなどを自分の好みでアレンジして楽しむことができる。
これにより、ギターの練習から音楽制作におけるギターパートのリアルな音の追求にいたるまで対応。ギター初心者から上級者、ギターを弾けない/弾かない人まで、幅広いユーザーに対応できるアプリケーションとなっている。
さらに、従来のWindows, Macはもちろん、今回のバージョンには人気急上昇のLinuxディストリビューション「Ubuntu」に対応する「.deb」パッケージを同梱。サポート対象外となるものの、WindowsやMacと同じようにインストールし、利用できるようになっている。 そこで、今回は、Ubuntuの最新バージョン10.04上にインストールして動作を確認、レビューしてみた。
Linux版のUbuntu 10.04への導入手順
Windowsは、XP/Vista/ 7に対応、Macは10.4以降に対応しており、通常の手順でインストールができる。Ubuntuの場合もインストールは実に簡単だ。
TAB譜を入手してGuitar Proに演奏させてみよう!
搭載機能についての詳細説明は後ほど行うことにして、まずは、ギターを弾けない/弾かない人でも楽しめる方法から紹介してみよう。Guitar Proのタブ譜を入手できるサイトはたくさんあるが、今回は「ultimate-guitar.com」を利用してみる。
検索結果一覧の「Type」で「guitar pro」がGuitar Pro形式のファイルとなる。ユーザによる評価を参考にしてファイルを選択しよう。
再生ボタンをクリックすると、楽曲の再生が始まる。左下部で楽器を選択するごとに、その楽器の譜面に切り替わる。一覧からギターを選んでみよう。初期状態では、再生される音に厚みがないことだろう。早速、サウンドを調整していこう。
迫力あるリアルなサウンドに調整!
ギターやベースなどの弦楽器の場合、通常の五線譜と同時にTAB譜が表示される。このTAB譜とは、通常の楽譜をギター用にアレンジしたもの。通常の5本の線による楽譜に対して、TAB譜はギターの弦に合わせて6本の線で描かれる。
つまり、TAB譜の一番上の線は、ギターの1弦をあらわし、一番下の線は6弦をあらわすことになる。そして、TAB譜にかかれている数字は「フレット」を示す。これにより、耳コピーだけでは難しいフレーズも、タブ譜を確認することで、弾き方をビジュアルで確認できるわけだ。
また、再生速度(テンポ)を変更することで早弾きフレーズをゆっくりと弾きながら練習ができるし、パートごとのループ演奏も可能なため、反復による練習をみっちりと行える。
また、ギターパートをミュート(消音)させて、他パートの伴奏に合わせた練習、すなわち“マイナスワン”による再生が簡単に行える。
このように、ギターリストにとっては、初心者から上級者にいたるまで、この上ないトレーナーとなるわけだ。
次に、「Guitar Pro 6」の特長について詳しく見ていこう。
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