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先進企業から見えたソーシャルメディアの真実 (3/5)

2010年07月01日 10時00分更新

文●まつもとあつし

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マイクロソフトが作った、日本型ソーシャルメディアのハンドブック

マイクロソフト株式会社 セントラルマーケティング本部 デジタルマーケティング&アナリティクスグループ 熊村 剛輔 氏


 マイクロソフトの熊村剛輔氏(@gosuke)はプロミュージシャンを経てIT業界にやってきた異色のマーケッターだ。現在は国内の企業としては珍しい「ソーシャル メディア リード」として、同社のソーシャルメディア・マーケティング施策全般に携わっている。

 「ソーシャルメディア活用無くして日本企業のブランディングは成立しない」とした笠井氏に対して、熊村氏は「目的・ゴールに応じて、ソーシャルメディアを使わないという選択もあり得る」「海外と日本では事情が異なる」というスタンスをとる。

 およそ1年前、「そもそもソーシャルメディアを使う、使わないから議論を始めた」という同社では、宣伝、マーケティング、広報などの情報発信に関係する部門で構成するタスクフォースと、特定のツールに依存しないパートナー(代理店)とで、ソーシャルメディア活用を標準化するための社内ハンドブックを策定した。

マイクロソフトが作成したハンドブックの構成。いわゆるポリシーだけでなく、戦略策定や効果測定にも言及してある


 ソーシャルメディアは簡単に始められるがゆえに、担当者ごとに運用が異なり、消費者との対話をコントロールできない部分が多い。ハンドブックでは、行動規範(ポリシー)だけでなく、ソーシャルメディアの実態把握のための「知る」、戦略策定や効果測定についてまとめた「攻める」プロセスにもボリュームを割いたという。

マイクロソフトのガイドライン。様々な担当者がいろいろな場面でソーシャルメディアと向き合うことから、原則としてまとめている


 熊村氏は、ソーシャルメディア推進役になる担当者へのメッセージとして、以下の項目を挙げて講演を締めくくった。

  • まず自分がソーシャルメディアにどっぷりつかるコト
  • 客観的にソーシャルメディアを語れるようにするコト
  • (マーケターに) 夢ではなく目標を持たせるコト
  • AD/PR/Legal との連携は最低条件と意識するコト
  • (社内に) 仲間をいっぱい作るコト
  • [関係部門数]×[組織階層] 分の社内調整を覚悟するコト
  • 長期間高いモチベーションを持ち続けるコト
  • コミュニケーションをあきらめないコト

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