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長~く使える極上のPCケース2010 第6回

長~く使える極上のPCケース2010【アンテック番外編】

2010年07月03日 12時00分更新

文● 石井 英男

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ハイエンド3-Way SLI環境で冷却性能を検証!

 DF-85は、アンテックの新ゲーミングPC向けケースブランド「ダークフリートシリーズ」の最上位モデルに恥じない、機能的かつ冷却性能の高いケースだ。そこで、ハイエンドビデオカードを3枚搭載した3-Way SLI環境を構築し、冷却性能を検証してみることにした。テスト環境は以下に示したとおりだ。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-920」(2.66GHz)
マザーボード ASUSTeK「P6X58D-E」(X58 Express)
メモリー CORSAIR「CMX8GX3M4A1399C9」(DDR3-1333 2GB×3)
ビデオカード EVGA GeForce GTX 480×3
HDD Western Digital「WD10EADS」(1TB)
光学ドライブ バッファロー「DVSM-724S/V-BK」
電源ユニット Antec「TRUEPOWER QUATTRO 1200W」
OS Windows 7 Ultimate(64bit)

Intel X58チップセットを搭載したASUSTeK製マザーボード「P6X58D-E」。PCIExpress(2.0)x16スロットを3つ装備しており、3Way-SLIにも対応する。実売価格は2万4000円前後

最新規格のUSB 3.0と、SATA 3.0(6GB/s)にも対応している。白色のコネクターがSATA 3.0となる

NVIDIAの最上位GPUであるGeForce GTX 480を搭載したEVGA製ビデオカード。実売価格は5万5000円前後。今回はこのビデオカードを3枚使用してゲームをプレイ。果たしてケース内温度はどれだけ上昇するのだろうか?

電源には出力1200WのANTEC製「TPQ-1200」を使用した。Hybrid SLIやCrossFireXをサポートするゲーマー向けモデルで、+12V出力を6系統用意している。実売価格は2万7800円前後

 この環境で、DF-85に搭載されているファンはすべて回転数を一番下げた状態にして、重いゲームソフトやベンチマークソフトを動かしてビデオカードに負荷をかけ、GPU温度をハードウェアモニタツールで計測してみた。なお、計測時の室温は28℃で、アイドル時のGPUの最高温度はそれぞれ64℃、62℃、48℃であった。最後の1つのGPUのみ温度が低いが、今回テストした3-Way SLI環境では、2枚のビデオカードはSLI動作で3D描画を行ない、残りの1枚のビデオカードは物理エンジン「PhysX」専用として動作しているからだ。

GPU温度

アイドル時のGPU最高温度(単位:℃) ←better

 まず、Grand Theft Auto IVを30分間連続でプレイしたところ(1920×1080ドット、描画に関するオプションはすべて最高に設定)、3つのGPUの最高温度は、94℃、94℃、52℃となった。Grand Theft Auto IVは比較的マシンに負荷をかけるゲームなのだが、PhysX非対応なので3枚目のビデオカードは使われていない。

GPU温度

「Grand Theft Auto IV」プレイ時のGPU最高温度(単位:℃) ←better

 今度は、PhysXにも対応した3Dベンチマークソフト「3DMark Vantage」を最高のExtreme設定で3回連続実行したときの最高温度を計測したところ、95℃、94℃、66℃という結果になった。先ほどの結果に比べて、1枚目と2枚目のビデオカードのGPU温度はほとんど変わってないが、3枚目のビデオカードのGPU温度はかなり上がっているのがわかる。

GPU温度

「3DMark Vantage」実行時のGPU最高温度(単位:℃) ←better

 94℃や95℃という温度は、一見高いようにも思われるが、GeForce GTX 480は非常に発熱の大きなGPUであり、高い負荷をかけると100℃近くになることも珍しくはない。GeForce GTX 480の最大動作温度は105℃とされており、10℃程度の余裕がある。今回は室温がやや高めの環境でテストを行なったが、室温が下がれば、GPU温度も下がる。DF-85を利用した3-Way SLIシステムは長時間負荷をかけても、動作は非常に安定しており、十分な冷却性能を持っているといえる。また、ケースファンからの騒音が小さいことも高く評価できる。高負荷時は、ビデオカードのファンの騒音が大きくなり、ケースファンの騒音をかき消すほどになった。

GeForce GTX 480を3枚装着して3-Way SLI環境で検証を行なった。ビデオカード3枚とCPUの発熱で、かなりシステム温度は上昇するはずだが、室温28度の室内でもDF-85は安定した冷却性能を見せ、真夏の3-way SLI常用にも耐えられることを証明した

 この検証からもわかるように、DF-85は高い冷却性能と使い勝手のよさを両立させており、ゲーミングPC向けケースとしての完成度は高い。ゲーミングPC以外にも、9つの3.5インチシャドウベイやホットスワップ対応のフリートスワップベイを活かして、RAIDシステムを構築するにも適しているだろう。

(次ページへ続く)

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