メディアで話題になるストーリー作り
ネットショップでの実践を考えてみよう。5月に開催された、関西を中心とするネットショップやメーカーなど11社が出展した「関西発プレスイベント」(PRリンク主催)というメディア向けのイベントで見つけた3つの商品を例にする。
■プラチナ招き猫(和座倶楽部)
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プラチナ製の招き猫は、九谷焼の湯飲みや小物を販売している和座倶楽部の目玉商品という位置付けだ。招き猫は焼き物や樹脂製がほとんどなので、「プラチナ製の招き猫」は法則が入れ替わっていて、「設定」になっているのがよい。関係性はどうだろうか。単に「招き猫を買ってください」では、ショップ とお客が向き合ってしまい、関係性を築けない。和座倶楽部のショップでは、招き猫を売りたいショップと、結婚祝いを探したいお客が「ブライダル」という話題で会話できるように工夫されているのがよい。
■孝行麺(環境王国)
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孝行麺は、サツマイモの澱粉で作った対馬の郷土料理。「サツマイモ製の黒い麺」という設定は、ストーリーとしてかなり出来がよい。ただ、「孝行麺」という言葉を知らないと検索できないので、顧客との関係性をどのように作るかが大きな課題になる。「対馬には黒い麺がある」と朝のニュース番組で取り上げられたり、芸能人が番組内で言及したりするなど、何かのきっかけがあればブームが起きるかも知れない。メディアで取り上げてもらうには、「対馬」という地域性をアピールするのが手っ取り早いだろう。
■手作り牛生ハンバーグ(大阪の味 ゆうぜん)
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手作り牛生ハンバーグは、無添加で厳選された材料で作ったのが売り物のハンバーグ。ただ、「無添加」も「厳選された材料」も、今となっては設定としての意外性が低い。おいしいハンバーグはリピーターが付きやすいだろうが、それだけでメディアは取り上げない。「年間80万個販売」などの実績を強調したり、「ハンバーグ工場の秘密」などと称して工場を公開して安全性をアピールするキャンペーンを実施するなどすれば、メディアも取り上げやすいだろう。ちなみに試食したところ肉汁の料がとても多く、フライパンで焼いたときの肉汁とソース、ケチャップで和えてかけたら最高に旨かった。
ストーリーがないときはどうする?
そもそもストーリー性がまったくない商品はどうすればいいだろうか。もっとも簡単なのは「大物食い」とでもいうべき手法だ。今ならワールドカップにからめたり、夏の甲子園や地元の花火大会、NHKの大河ドラマ、教育や介護などの公共性の高い概念と組み合わせたりして、自社の商品の関係を述べる。メディアで紹介するときも商品の宣伝ぽさがなくなるし、ソーシャルメディアで伝播していくときも、「どうせ宣伝でしょ?」と思われにくくなる。結局のところ、何かの形で社会の役に立つことをするのが重要なのだ。「ソーシャル」とはそういうことだろう。
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