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アグリゲーションビジネスに主軸を移す

Wi2、バッファローとの提携でエリアが全国1万3000カ所へ

2010年06月28日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月25日、公衆無線LANサービス「Wi2 300」を展開するワイヤ・アンド・ワイヤレス(以下、Wi2)は、同じく公衆無線LANサービスを展開するバッファローとの業務提携を発表した。提携により、利用可能なエリアは全国1万3000カ所に拡大し、2011年には10万カ所のエリアを目指すという。

第2次公衆無線LANブーム来たる?

 Wi2の前身は、旧アッカ・ネットワークスのワイヤレス事業を担当していたアッカ・ワイヤレス。WiMAXを軸にした事業計画がUQコミュニケーションズが担うことになり、親会社のアッカ・ネットワークスがイー・アクセスの傘下に入ったことから、現在は投資会社のイグナイトの配下で事業を継続している。昨年の9月にはインターネットイニシアティブ、NEC、ビックカメラ(ラネット)などの増資を受け、現在は公衆無線LANサービス「Wi2 300」を展開している。

会社概要や事業展開について説明するWi2 代表取締役社長 高津智仁氏

 説明会において代表取締役社長の高津智仁氏は、まず昨今の無線LANの市場動向を説明。iPadやiPhoneをはじめとするPC以外のデバイスが台頭し、今後WindowsやAndroidをベーストしたスレートPCが増えてきたことを受け、公衆無線LANの人気が再燃すると述べた。また、「1つの端末に1つずつ通信回線を契約していくのは大変。また、通信事業者としても、増大するデータトラフィックを公衆無線LAN側に逃がしたいという意向がある」(高津氏)といった状況も公衆無線LANの普及に拍車を掛ける可能性があるという。

タブレット型端末の普及やモバイルトラフィックの爆発など、WiFiを後押しするいくつもの要因

 iPassの調べによると、東京の公衆無線LANのエリア数はロンドン、シンガポールに次いで3位になるという。しかし、事業者が乱立し、相互にローミングしていないこともあり、外国人観光客などにとっては使いにくい状況となっている。そこで、Wi2は複数の公衆無線LANを1つの契約で利用できるエリアを拡大するアグリゲーションの事業を進めていく。

 もちろん、Wi2は今までも公衆無線LANサービスを提供しており、京急グループ、京王グループ、京成グループなどの私鉄グループの沿線、リムジンバス、中華街・元町(横浜)、東京丸の内などで自前のエリアを構築してきたが、「カバーできるエリアが小さいので、投資が大きく、正直息切れしてしまった」(高津氏)とのことで、投資対効果の低いエリアの拡大よりも他の事業者との提携を主軸に据えることにしたという。また、ユーザーの端末や基地局からWi2サーバーへの通信をトンネリングし、Wi2サーバー上ですべてのユーザーを認証することで、セキュアな通信環境を実現するという。

他の事業者との提携により、サービスエリアを拡大する戦略を進める

 Wi2では、現状BBモバイルポイント(ソフトバンク)や、ライブドアワイヤレスとの提携を行っているが、今回新たにFREESPOTを提供するバッファローと提携。9月にはFREESPOTの約5000カ所のエリアをWi2に追加し、全国で1万3000カ所のエリアを確保する。同社はこうしたアグリゲーションを2011年春までに10万カ所、20万加入を目指すという。

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