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池田信夫の「サイバーリバタリアン」第119回

技術ナショナリズムが「ガラパゴス化」をもたらす

2010年06月23日 12時00分更新

文● 池田信夫/経済学者

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混乱するアナログ放送の「跡地利用」

 2011年7月に予定どおりアナログ放送が終了すると、VHF帯とUHF帯で大幅に周波数が空くが、その「跡地利用」をめぐって混乱が起きている。下の図のように、現在テレビが使っている1~12チャンネルを3つの帯域に分け、1~3チャンネルと10~12チャンネルを「テレビ以外の放送」に使う予定だが、停波まであと1年と迫った今になっても使う企業が決まっていないのだ。

アナログ放送終了後に跡地ができる

 10~12チャンネルの「VHF-High」帯については、携帯端末向けの「マルチメディア放送」に使うことになり、フジテレビなど民放各局とNTTドコモなどのグループが今月、特定基地局の開設計画の認定申請を総務省に出した。これはISDB-Tmmと呼ばれる「ワンセグ」と基本的に同じ方式だ。他方、KDDIとクアルコムジャパンの出資するグループは「メディアフロー」とよばれる北米方式で認定申請を行なった。

 VHF帯には当初60社以上の申請があったが、総務省が「研究会」に業者を集めて一本化を進めた。普通なら、これで免許人が一つにまとまり、それに各社が出資する形で落ち着くのだが、外資系で“空気の読めない”クアルコム社が「当社のメディアフローのほうが世界標準だ」と主張して譲らず、2本立てのまま延々と検討が続いてきた。

 途中の段階では、18MHzを2チャンネルに分ける案もあったが、総務省は「技術的に不可能だ」と拒否した。しかし地上波のテレビが3チャンネルも入っていた周波数に携帯端末向けの放送が2チャンネル入らないはずがない。クアルコム社が技術的に可能であることを実証すると、今度は「2社ではビジネスが成り立たない」と総務省が決めて一本化を強要した。

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