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既存の文書管理製品を凌駕するジャストシステムの自信作

ゴミ屋敷になったファイルサーバーはGDMSで整理せよ!

2010年06月22日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月25日に発売されるジャストシステムの「GDMS(Green Document Management System)」は、ファイルサーバーの可視化・整理を実現する製品。情報ライフサイクル管理にリスク管理、情報活用の機能まであわせもった、まったく新しいジャンルの製品といえる。ジャストシステムの担当者に話を聞いた。

宝探しに時間を使うのをやめよう

ジャストシステム エンタープライズ事業部 販売促進部 営業推進G 山本 大氏(左)、エンタープライズ事業部 企画部 担当部長 日野隆教氏(右)

 現状、情報システム部にとってファイルサーバーやNASの管理は、頭の痛い問題になっている。ユーザーの保存するファイルは増大化し続け、ストレージを圧迫している。増強・拡張の繰り返しで、ランニングコストはうなぎ登りという状態だ。また、似たような文書や同一のファイル、領域を消費するだけの陳腐化ファイル、仕事とは無関係な動画や写真データなどが散在し、まさにゴミ屋敷での宝探し状態。さらに、管理も野放図で、情報漏えいやデータ損失などセキュリティリスクにも晒されている。ジャストシステムのエンタープライズ事業部 企画部 担当部長である日野隆教氏は「情報システム部の多くは、容量が増えている認識はあるが、容量制限くらいしかやっていません。ファイルの削除はユーザーに任せている状況です」とファイルサーバー・NAS管理の現状についてこう語る。

 物理スペースをとらない電子文書は概して増加する傾向があるが、本来はライフサイクルを考えて管理されるべきである。多くの文書は時間の経過とともに増え、一方で利用頻度が落ちていく傾向にある。そのため、定期的に棚おろしを行い、活用されない文書は一定期間の保存や破棄を行なうのが理想的だ。しかし、「多くの会社はファイルサーバーの管理どころか、現状の把握もできていません」(日野氏)という。情報システム部の悩みは深い。

 こうした課題を解決するのが、ジャストシステムの新製品「GDMS」である。GDMSでは、ファイルサーバーの現状を可視化し、スリム化のための不要なファイルを識別できる。たとえば、最終アクセス日から3年近く経過していたり、重複ファイルや名称が類似していたり、不要なバックアップや一時ファイル、画像などのファイルを調べて、レポートする。可視化や制御、レポートはGUIのツールで行ない、問題箇所を特定する「領域管理」、選択した領域の概況を可視化する「概況分析」、クロス集計で問題を洗い出す「詳細分析」、下位フォルダの一覧を表示する「フォルダ管理」などのビューにより、整理対象となるファイルを洗い出すことになる。

ファイルサーバーの共有フォルダの状況を一目で確認できるダッシュボード

また、アクセス権の設定漏れや機密文書、社外秘ファイルを抽出するといった機能も合わせて持っている。ファイルサーバーの階層化を行なう製品はいくつかあるが、このようにアクセス権チェックや機密管理を目的とする機能を持っている製品は少ない。

アクセス権がきちんと設定されていないファイルを抽出する機能も用意されている(同社サイトより抜粋)

 こうした条件でファイルが抽出されたら、ユーザーはポリシーに従って、削除や移動、圧縮、アーカイブ、タグ付けなどの整理を行なう。基本的にはLAN内に1台GDMSのサーバーを設置し、定期的にスキャンをかけて、管理に必要な情報を抽出してくる。

 このようにGDMSではファイルサーバーを定期的に棚卸しし、ファイルの取捨選択を行なうことで、情報のライフサイクル管理を実現する。文書が作成され、参照された後、陳腐化したら、廃棄という一連のフローを実現するわけだ。ジャストシステム エンタープライズ事業部 販売促進部 営業推進G 山本 大氏は「しきい値を超えた場合にアラートを上げたり、アクセス権の違反しているファイルをCSVでリスト化できます。こうした情報を元に、フォルダを実際に管理している担当に整理や設定変更を促すことも可能です」と、実際の場面に沿った各種機能を紹介してくれた。

GDMSでファイルの一覧を表示する。重複、陳腐化、類似などさまざまな条件でソートできる

検索エンジンの効率的運用が最終目標

 実はGDMSは、同社の検索エンジンである「ConceptBase Enterprise Search」をベースに作られたソフトである。「そもそもファイルサーバーにいろんなファイルが置かれていたら、検索するのに時間がかかります。ですから、GDMSはConceptBaseでの検索効率を上げるために作られているんです」(日野氏)というわけだ。最終的には文書の効率的な運用が目的。そして、それを実現するための検索技術をベースにしているので、複雑な条件設定でファイルを取り出すのは、まさにお手の物というわけだ。

 また、顧客の要望を徹底的に製品に反映したのも大きな特徴。「40社くらいにヒアリングして、徹底して要望を入れ込みました。アクセス権の違反機能などは、まさにお客様からの要望を製品に反映したものです」(日野氏)とのことだ。顧客からの要望を盛り込んだ先進的なGDMSへの期待は、プレスリリースに書かれたお仕着せでない「ご賛同文」にも現れている。以下、その一部をそのまま抜粋する。

NOK株式会社 湘南開発センター 技術本部 技術統括部 システム課長 山田 泰輔様

 私の知る限り、ファイルサーバ管理者のための初めての統合ツールです。必要なファイルを重複なくきちんと管理できるだけでなく、サーバのさまざまな情報がつぶさに見てとれます。なぜ今までこんなツールがなかったんでしょうか?


戸田建設株式会社 アーバンルネッサンス部 主管 佐藤 郁様

 ストレージの低価格化が進み、大量のデータを安価に保存できるようになったが、今や、ファイルサーバは電力(CO2)を消費する巨大なゴミ箱と化してしまった。GDMSはストレージの最強の仕分け人として、あなたに代わり、不要なデータを利用者に見える化し、電力消費と無駄な労力を、きっと大幅に削減することだろう。


 確かに、今までILM(Information Lifecycle Management)や情報漏えい対策、文書管理など個別の機能を実現する製品はあったが、ファイルサーバーの管理をここまで包括的に考えた製品はなかった。決して安価な製品ではないし、スペックの高いサーバーが必要になるが、ファイルサーバーの管理にかかる労力とコストを考えれば、お手頃とすらいえる。ファーストバージョンでありながら、ストレージベンダーが裸足で逃げ出す充実した機能を持ったGDMSに、ジャストシステムの底力を感じる。

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