どんな国でも、幸せと思えた人が幸せなのかもしれない
さて、ジンバブエの生活はどんなものなのだろう。
まずは物価だ。現地の物価は日本の7~8割といった感覚でものすごく安いというわけではない。ちなみに何億パーセントという大インフレを起こしたジンバブエドルはおみやげ品として販売され、数ドル程度で買うことができた。100兆ジンバブエドル札という途方もない紙幣はいい土産物として人気のようだ。
料理は非常に日本人に食べやすい上品な味だ。現地ではサザといわれるトウモロコシの粉を水と練ったものが有名だ。やわらかい餅のようなものを、ビーフシチューのような牛肉の煮込みにつけて食べる。これが1皿でちょうど1ドル。ひろゆきはゲームミートと呼ばれるワニ、ダチョウなど野生動物をトマトで煮込んだ料理を気に入っていた。
次に治安だが、ビクトリアフォールズ周辺はそれほど悪くない。深夜一人で歩くのもそこまで不安はない。むしろ、町の中をうろついているヒヒの方が怖いくらいだ。「治安悪くなったら商売あがったりだし、これだけ狭いとみんな顔見知りなんだろうね」とひろゆきは分析していた。
最後に気になったのは、「彼らが幸せかどうか」。番組「デキビジ」の中では、10点満点で「幸せ度」を聞いていったところ、圧倒的に日本人のつけた点数が低かったということが話題になったのだ。そこでジンバブエでも同じ形のアンケートをとってみた。
はじめに話を伺ったのは、タクシーの運転手など現地ではたらく人々。彼らの点数は、「6点」。世界遺産という観光資源があるため、生活は安定しているものの、インフラが未発達であることや、家が高いことが悩みだと語ってくれた。
その後も同じ質問をつづけていくと、「もう年だからエベレストには登れなくなってしまった。だからマイナス1点」「良い妻と3人の子供に恵まれてる。今の仕事もあるし満足だね」など、皆一様にまじめな顔で、人生について深い思いを語ってくれた。
ジンバブエに続いて訪れた南アフリカでも同じ質問を繰り返したが、やはりみなそれぞれ別々の価値観で、それぞれの家族、不幸、生活を語ってくれた。私見だが、この「数値の平均」には何の意味もないように思えた。もし結果として出てくるとしたら「楽観的か、悲観的か」という、傾向だけなのではないだろうか?
ひろゆきは帰国後にジンバブエを振り返り、「安全だし、見るとこ多いし、もう一度遊びにきたいですね」と語った。バンジーさえなければ、筆者も同意見だ。