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コンテンツは「無体物」の時代へ 角川会長かく語りき

2010年06月15日 20時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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 「リスクはあるが、チャンスも大きい――」

 15日、大手町・日経ホール。そう語るのは、角川グループホールディングスの代表取締役会長兼CEO、角川歴彦氏(写真)だ。角川氏が壇上に立ったのは、ITとコミュニケーションの未来像をテーマとした合同カンファレンス「世界ICTサミット2010」内のセッション「進化するコンテンツ流通」だ。

 iPadが発売され、ネットには無料で見られる動画があふれている。そんな中、コンテンツ産業はどんな進化をとげていくのだろうか。そして、そこにはどんな「チャンス」があるのだろう。パネルディスカッションに先立ち、まずはキーノート(基調講演)として、自身の体験談から来たるべきコンテンツ流通の姿を話した。


「コンテンツという現象」ではなく「コンテンツ自体」が流通する時代へ

 「世界のマーケットの約10%はあるのではないか」と噂される日本のコンテンツ。約14兆円とも言われているその資源をどう生かすべきか。それを考えるために必要なのは『創造』『保護』『活用』の3つとした。

 現在は「創造と保護のもとにコンテンツが活用されていく。まだそのサイクルがうまく循環していない」とした上で、1970年に制定された日本の著作権法は、本やCD、DVDといったパッケージ製品をあらわす「有体物」を対象としていると指摘した。

 次はパッケージという体を持たない「無体物」を対象とした著作権法ができてもいいのではないか。著作権は社会の風潮や大衆の感心、著作権者の求めるものをもとに変化してきた。その中で、無体物を中心とした法制度があってもいいだろうと角川氏は話す。

日本のコンテンツ市場はおよそ約14兆円規模とも言われる。今後はパッケージを持たないナマのコンテンツ「無体物」を中心に、コンテンツ業界が推移していくだろうと予測した

 そうした無体物が集まるサーバー(クラウドコンピューター)の中から、「土管の中(ネット)を伝わって」様々なデバイスに流れてくるような時代が来る。いまはまだ途上だが、2014年を1つのキーとして、それがすべて一体化していくのではないかと論をくくった。

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