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週刊 PC&周辺機器レビュー 第58回

倍速補間と超解像を楽しむディスプレー RDT232WM-Z

2010年06月11日 12時00分更新

文● 池田圭一

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さすがの表示品質 倍速補間・超解像を実感!

 RDT232WM-Zの表示解像度は1920×1080ドット、採用する液晶パネルはTN型の光沢タイプである。視野角は左右/上下とも160度で、輝度は300cd/m2、コントラスト比1000:1(CRO動作時5000:1)。応答速度が3msと高速なことを除けば、標準的なパネルとなっている。一方で表示回路の性能は高く、非常に多機能なのが特徴だ。OSF画面での設定項目も多肢にわたる。

OSDの表示設定

OSDの表示設定。液晶ディスプレーのメニューとは思えないほど設定項目が多い

Windowsから超解像の設定変更も可能

専用ユーティリティをインストールすれば、Windowsから超解像の設定変更も可能

 なかでも、本製品の特徴となるのが「倍速クリアピクチャー」である。これは、通常の画面は1秒60フレームで描画するのに対し、倍速時はフレーム間の映像を予測補完して表示フレームを追加し、1秒120フレームで描画する。高級機タイプの液晶テレビなどに搭載されている機能で、液晶パネル特有の残像感を低減し、スポーツコンテンツなど速い動きの映像の視認性を改善できるというものだ。

 RDT232WM-Zでは倍速補間の効果を、オフ/弱/強の3段階で調整可能となっている。

オフ/弱/強の3段階調整が可能

倍速クリアピクチャーは、オフ/弱/強の3段階調整が可能。パソコン画面表示ではオフ推奨だが、画面の見やすさは若干向上する

 倍速補間の効果を文字で表現するのは難しいのだが、DVDやBlu-rayコンテンツを再生しているときに、特に顕著な違いを感じた。倍速クリアピクチャー機能を有効にすると、まるで目の前で実際に起きているかのように、映像のリアル感が増すのである。一方パソコンでの作業では、文字のスクロール表示が滑らかに感じるなど若干の効果が見られるものの、動画サービスなどを視聴して確認しても、それほど大きな差異は感じなかった。

OFFの状態

倍速クリアピクチャーの効果を確かめてみた。これはOFFの状態。露出1/60秒で写真に撮ると、高速でスクロールする文字が2重に写っている

「弱」の状態

倍速を「弱」にすると、写真では文字などが4重に写る。フレーム補間がされた証拠である

「強」の状態

倍速を「強」に。ブレが激しくなったように見えるが、これは写真に撮ったため。肉眼では非常にスムーズに文字が流れていくように見える

 一方、もうひとつの特筆すべき機能「超解像モード」では、ビデオコンテンツやパソコン画面に関わらず、違いを感じた。RDT232WM-Zでは0~100まで10刻みで10段階の調整が可能で、表示画像の先鋭度が増していき、特に表示のシャープネス機能と同時に使うと効果が著しい。

「0」の状態

超解像の効果を確認してみる。まずは「0」(機能オフ)の状態

「100」の状態

超解像レベルを「100」にすると、淡い輪郭が際立ってくるのがわかる

シャープネスも「100」に

さらにシャープネスも「100」にすることで、細部の構造もはっきりする

「0」の状態

次はシャープネスを50に固定して、超解像レベルを変えてみた。これは「0」

「50」の状態

「50」の状態。超解像レベルは10刻みに10段階で調整可能。これぐらいが一番見やすいか?

「100」の状態

「100」の状態。あまり効かせすぎると、文字の回りが白浮き(オーバーシュート)を起こす

 あまりに超解像の効果を強めてしまうと、パソコン画面の文字周辺で白浮きなどの現象が見られるし、写真などの自然画像では細部の表情がツブレ気味になって絵画調になってしまう。だが、アニメーション視聴では映画館のような臨場感を得られた。

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