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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第6回

3D対応でネットオーディオも楽しめる 

広大なサラウンド空間にびっくり! オンキヨー「TX-NA808」

2010年06月09日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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 3Dテレビが続々と店頭に姿を見せはじめ、注目度もますます盛り上がっているが、3D映像に関わる周辺機器もにわかに活気づいている。

 そのひとつがAVアンプなどのホームシアター機器。映像が立体的な3Dになるのなら、音も同様に前後左右に空間を再現できるサラウンドにしたいもの。映像だけが飛び出しても、それはギミック的な面白さはあっても、すぐに飽きてしまう。ところが、飛び出す映像や奥行きのある映像と音の広がりが一致すると、まさに映画の世界に入り込んだような感覚を覚える。これぞAVの歓び! と言いたくなる。

「TX-NA808」

「TX-NA808」

 ホームシアター機器では、手軽に使えるフロントサラウンド方式のものや、エントリークラスのAVアンプが一通り出揃った印象だが、いよいよミドルクラス以上の上級機も3D信号などに対応した最新モデルが登場しはじめた。今回レビューを行なうオンキヨーの「TX-NA808」(6月26日発売、予想実売価格15万円前後)もそのひとつだ(関連記事)。

 概要としては、HDMI入力が最新のVer.1.4となり、3D信号のパススルー伝送、薄型テレビとの接続時にテレビ側のデジタル音声出力をAVアンプに送れるオーディオリターンチャンネルに対応した点が目新しいポイント。

 これにより、3D対応BDレコーダーなどとの接続時でもAVアンプを経由して3Dテレビに信号を伝送できる。

 例えば、プレイステーション3で3D信号の出力を行なう場合、3D信号に対応していないAVアンプを経由すると3D信号をテレビに送ることができない。PS3と3Dテレビを直結してしまうと、今度はAVアンプに「ドルビーTrueHD」などの信号を伝送できないというジレンマに陥る。これを解決するために、BDレコーダーやBDプレーヤーではHDMI出力を2系統備えるモデルもあるが、これはこれで接続の手間が増える。

 その点、本機のような3D信号対応のAVアンプなら、今まで通り、PS3→AVアンプ→3Dテレビの接続で、3D映像もドルビーTrueHD音声も楽しめるというわけだ。3Dテレビの導入に合わせて、AVアンプやホームシアター機器を新規に手に入れようという人ならば、やはり3D信号対応のものを選んだ方が使いやすいだろう。

ずしりと重く、大きな筐体は迫力たっぷり

前面には、ビデオ入力や光デジタル音声入力に加えて、HDMI入力とUSB端子も備える。USB端子は、楽曲データを保存したUSBメモリーなどのほか、iPodなどとの接続も可能

前面にはビデオ入力や光デジタル音声入力に加えて、HDMI入力とUSB端子も備える。USB端子は、楽曲データを保存したUSBメモリーなどのほか、iPodなどとの接続も可能

 今回は自宅で試聴を行なったが、届いた梱包箱がとにかく大きい。AVアンプ自体は幅435×奥行き435.5×高さ198.5mmとかなり大きいサイズで、収納するにはAV用のラックが必要になる。

 前面には、電源ボタンのほか、大型のボリュームと、入力切り替えなどのスイッチが整然と配置されている。下部のパネル内には、メニュー操作用の十字キーなども揃っており、ほとんどの操作は前面パネルでも行なえる。なお、外部入力端子が前面にも装備されているのは便利だ。

スピーカー端子は中央のフロント(L/R)を中心にシンメトリー配置になっており、アナログ入出力、映像入出力、HDMI入出力、Ethernet端子と、順に積み重なっている

スピーカー端子は中央のフロント(L/R)を中心にシンメトリー配置になっており、アナログ入出力、映像入出力、HDMI入出力、Ethernet端子と、順に積み重なっている

 背面は、一番下にスピーカー出力が11系統並ぶ。本機は7.1chアンプだが、新機能として「ドルビープロロジックIIz」(関連記事)のフロント・ハイ、「Audyssey DSX」のフロント・ワイド用のスピーカー出力も備えるためだ。

 しかも、本機は従来モデルや同時期に発売された「TX-NA708」とは異なり、同社の上位モデルの内部構造を継承し、プリアンプ部とパワーアンプ部をブロック化して分割。それぞれの電気的・電磁的な干渉を低減し、音質的なグレードを高めている。

底面部分。樹脂とコルク材を組み合わせたインシュレーターを採用。前方側にヒートシンク部分の下には冷却用のファンも備えている

底面部分。樹脂とコルク材を組み合わせたインシュレーターを採用。前方側にヒートシンク部分の下には冷却用のファンも備えている

 底面のシャーシも十分な強度を持っており、大柄なボディながらもがっしりとした感触でひ弱さはまったく感じない。これも音質にダメージを与える振動を抑えるためのもの。ハイエンドモデルのように鋳鉄などの特別なシャーシを採用しているわけではないが、一般的な鋼板シャーシとはいえ、構造などの強化によって十分な剛性を獲得している。

左の電源コードは取り外し可能なインレットタイプ。市販の電源ケーブルに交換して音質チューニングも行える。右は音場測定用のマイク

左の電源コードは取り外し可能なインレットタイプ。市販の電源ケーブルに交換して音質チューニングも行なえる。右は音場測定用のマイク

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