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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第73回

ブログ「リストラなう」が出版社の内情を明かした理由

2010年06月08日 12時00分更新

文● 古田雄介

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情報をおくりだす方がダサいのかもしれない

―― その流れでお聞きしますが、ブログはジャーナリズムで書いているんですか?

たぬきち 違います。これは読者の意識で書いています。ものを読むときに「それじゃつまらねえだろ」とツッコミを入れることってありますよね。その目線、その意識で、ネットのエンドユーザーとして書いているだけなんですよ。エンドユーザーがたまたま出版社の営業をやっていたよ、くらいの話なんです。

 今のエンドユーザーは非常にレベルが高いので、ちょっと嘘を書いたらすぐ見破られてしまいます。すごくたくさんのコンテンツに触れているから、見抜く力がすごいんです。だから、今は情報の送り手のほうがダサくなっているんです。

―― わかりました。では、今後について教えてください。まず「リストラなう」は5月いっぱいで完了ですか?

たぬきち 本編は5月いっぱいですね。6月2日に単行本関連のことを書いて、以後は改名せずにそれっきりにしようと思っています。ただ、別のブログを作って、そこで地味に更新を続けていると思います。

7月末に新潮社から「リストラなう」の書籍版が刊行されるという。本文だけでなく、コメントも抜粋するため、コメント掲載を拒否する人へその旨を伝えてもらうように呼びかけている(6月16日まで)

―― では、たぬきちさん自身の今後はどうでしょう。

たぬきち 全然分からないんですけど、スクリプト系言語、たとえばPerlとかはおぼえたいと思ってますよ。あとPerlは直接役に立たないけど、自分用にiPhoneアプリ作りたいなと思ってるんですよね。メルマガを読むためのメーラーが欲しいんですけど、なかなかみつからなくて。なら、どうせひまだし、自分で作ってみようかなという。ただ、仕事にするわけじゃないですよ。

 そこから先はどうやって食っていくかっていうのは分からないんですよ。コメント欄でも「45歳バブル世代で転職なんてできねーよ」とか色々書かれていますけど、転職というかまたどこかに就職するのかどうかも自分ではよくわからないし。いままでと全然違う職種になっていることも十分考えられます、まあ、これからですかね。

―― そのときも、ブログを続けている可能性はありますか?

たぬきち そうですね、続けていると思います。やっぱり、表現衝動は大事ですよね。それだけは決めていますね。表現衝動を大事にして生きていこうということだけは。……それが仕事になれば最高だけど、そうはならないですよね、なかなか(笑)。

新たにはじめた「たぬきちの野良犬ダイアリー」。6月初旬現在は、雇用保険をもらいに行くなど、「リストラなう」の続編的な内容も多い



筆者紹介──古田雄介


古田雄介

 元建設現場監督&元葬儀業者&現古銭マニア&毎週仕事で秋葉原と都内量販店に足繁く通う毎日を送る現デジタルライター。「古田雄介のブログ」ではみなさんのお勧めサイトを募集中です。




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