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物欲AVコモノ道 第56回

iPadをAVデバイスとして使ってみた!

2010年06月07日 12時00分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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リアルタイム変換でWMVやMPEG-2動画をiPadで楽しめるAir Video

「Air Video」のメイン画面。「Play with Live Conversion」をタップすると、非対応形式の動画でもリアルタイムエンコーディングでストリーミング再生される

「Air Video」のメイン画面。「Play with Live Conversion」をタップすると、非対応形式の動画でもリアルタイムエンコーディングでストリーミング再生される

 iPadには「ビデオ」アプリもあり、iTunes経由で転送した動画を楽しむこともできる。ただ、特に自宅内のPC上にある動画を再生したいといった場合、いちいちiTunesに登録し、ケーブルをつないでiPadに転送するというのは面倒だ。そこでぜひ活用したいのが「Air Video」である。

 Air Videoはネットワーク経由でMacやPC上の動画を再生するためのアプリケーションだ。無償版と350円の有償版があり、無償版では広告が表示されるという違いがある。

設定画面では解像度やコンバート時のクオリティを設定できるほか、リアルタイムエンコーディングの際のビットレートを選択しておくことができる

設定画面では解像度やコンバート時のクオリティを設定できるほか、リアルタイムエンコーディングの際のビットレートを選択しておくことができる

 最大の特徴は、専用サーバソフトである「Air Video Server」を利用することで、標準ではiPadがサポートしていない形式のファイルであっても再生が可能なこと。これはサーバ側でリアルタイムにエンコードし、それをストリーミング配信することにより実現している。たとえばWMVやMPEG-2形式などの動画でも、事前に変換することなく再生できるわけだ。

 ただリアルタイムエンコードには当然それなりのマシンパワーが要求されるため、スペックが十分ではないPCでは厳しい。そこでストリーミングせずにエンコード作業だけを行なう機能も用意されている。

Air Video Serverの画面。基本的にはフォルダを選択するだけでよく、シンプルな使い勝手を実現している

Air Video Serverの画面。基本的にはフォルダを選択するだけでよく、シンプルな使い勝手を実現している

 サーバの使い勝手がよいこともポイントで、基本的には動画を保存しているフォルダを指定するだけで利用できる。「Bonjour」に対応しているため、iPad側で自動的にサーバを見つけてくれるのも利点だ。

 今回、CPUとしてCore i5-750(2.67GHz)を搭載したマシンで、実際にリアルタイムエンコーディングによるストリーム配信をテストしてみた。

 サンプルとして利用したのは、ビットレートが2Mbps程度のWMVファイル。再生を始めると、途切れやもたつきもなくスムースに再生される。CPU使用率は時折100%近い値まで上昇するが、Core i5であればほかの作業ができないというレベルではない。

 こうしたリアルタイムエンコードの弱点としては、任意の地点を再生するシーク操作が挙げられる。Air Videoでも若干待たされるが、再生が始まるまでの間はごくわずかで、ストレスが溜まるというほどではなかった。

 Air Videoで何より便利なのは、H.264以外の動画でも即座にネットワーク経由で閲覧できる点だろう。iPadを動画プレーヤーとして利用するなら、ぜひ活用したいアプリだ。

 なお、リアルタイムエンコードにはそれなりのマシンパワーが必要になるため、興味のある方はまずは自分の環境で問題ないかどうかを無料版で試していただきたい。


動画再生端末としても魅力的なiPad

ぜひ活用したいのがアップル純正のケースである「Apple iPad Case」だ。縦置きと横置きの両方に対応し、ウェブを見るときは縦置き、YouTubeでは横置きと簡単に使い分けられる

こちらは、横置きで若干傾斜を付けて寝かせたスタイル。ソフトキーボードを打つ際に便利なほか、ベッドなどで寝そべりながら使う場面にも最適

こちらは、横置きで若干傾斜を付けて寝かせたスタイル。ソフトキーボードを打つ際に便利なほか、ベッドなどで寝そべりながら使う場面にも最適

 元々リビングでウェブサイトやメールをチェックすることを目的に購入したiPadだったが、実際に手元に置いて使って見ると、YouTubeなどを使って動画を見る機会も多かった。これは専用アプリケーションによる使い勝手のよさと、iPadが手頃なサイズで気軽に使えることが要因だ。さらに表示品質が高く、iPhoneやiPod touchに比べて液晶ディスプレーのサイズが大きいことも影響している。

 また動画を視聴する上で、もう1つのポイントになっているのはスピーカーの存在だ。もし十分な音量で再生できず、ヘッドフォンを使うことが前提となるのであれば、これほど使わなかっただろう。決して音質がよいわけではないが、気軽に動画を再生する上でヘッドフォンを使わずに済むメリットは大きい。

 このように動画再生端末として考えても、iPadはなかなか魅力的なデバイスである。さらにインターネット端末としても、電子書籍のリーダーとしても使えることを考えると、極めて遊び甲斐のある1台であるのは間違いない。

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