共通の敵は“Android”
MeeGoにいたるまでのIntelとNokiaの経緯を振り返ると、共通して見えてくるのは“対Android”だ。Androidは2008年に立ち上がって以来、急速に繁殖している。端末の種類はもちろん、アプリケーションの開発でも活況を呈しており、シェアを急速に増やしている。
iPhoneはアップルしか製造しないが、Androidはさまざまなメーカーを取り込む一大勢力となった。特にMoblinはAndroidのような繁栄を実現できず、結局は中立性を強調してハードウェアベンダーや開発者の取り込みを図る目的でプロジェクトをLinux Foundationに移管したという経緯がある。
これまでの経験から学ぶという点で、MeeGoはプロジェクトを最初からLinux Foundationに置き、オープン性と中立性を強調した。Linuxカーネル、D-Bus、Btrfs、X.orgなどの技術を利用し、Linuxの基本部分となるアップストリームに近いポジショニングとなる。
AndroidがLinuxのメインのカーネルツリーから外れつつある事実を考えると、Linuxに忠実で、開発者が親しみやすいプラットフォームといえそうだ。これに加え、アプリケーション/UI開発フレームワークの「Qt」を利用したクロスプラットフォームでのアプリケーション開発が大きな特徴となる。
MeeGo搭載スマートフォンは2010年内に登場予定
そうやってリリースされた初のMeeGoの正式版だが、実際に公開されたのは、Atom搭載ネットブック向けのISOイメージとN900向けのコアソフトウェアプラットフォーム。まずはネットブックアプリケーション開発者向けとなり、APIとSDKも公開されている。モバイル向けのSDKは6月に公開予定という。
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| 左が「Moblin」で、右が「MeeGo」の画面。比較的似ていることがわかる | ||
スマートフォンからみて気になるのはNokiaの動きだ。NokiaはMeeGo 1.0がリリースされた同日、MeeGoの前身であるMaemoを搭載したN900で、MeeGoへの公式アップデートを提供しないことを明らかにしている。そして、N900のOSアップデートとしてMaemo最新版をリリースした。
Nokiaはこの理由について、「N900の機能向けにデザインされた最高のエクスペリエンスを提供するため」と説明している。荒削りな最新技術をリリースして失敗するよりも、完成度の高いものを提供するということだろうが、Nokiaのブログを見ると、一部のユーザーからは不満の声も上がっている。MeeGoのローンチ端末とはならなかったことがどのような意味を持つのか、市場にどのようなメッセージを送るのかは様子見だ。
Nokiaはその後、5月26日と27日、英ロンドンで開催された「Open Mobile Summit」で初代MeeGo搭載機の開発計画について語っている。それによると(Atomではなく)ARMをベースとしリッチマルチメディアに大きくフォーカスしたものになり、当初の予定通り2010年内に発表するという。
MeeGoが敗者連合とならないためには、ハードウェアベンダーの支持が必要だ。端末がそろい、それをターゲットにアプリケーションが多数開発され、それが新たなユーザーを呼ぶ、というサイクルを回すことができるだろうか。
筆者紹介──末岡洋子
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フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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