コンポーネントを配置する
Webフォームが作成できたら、ソースビュー画面の左下にある[デザイン]タブをクリックして、デザインビューに切り替える。フォーム上のユーザーインターフェイスの構成を行なえるデザインビューが開く。
ASP.NETでは、アプリケーションのユーザーの操作に応じてコードが実行されるというイベント駆動型のプログラミングスタイルを採用している。イベントのコードを記述するためには、画面上に配置された該当のコントロールをダブルクリックする。すると、ロジッククラスが開かれ、そこにイベントをハンドリングするコードが自動生成される。
Webフォームのデザインは、この画面を使って、[ツールボックス]ウィンドウからコンポーネントをドラッグ&ドロップすることで行なう。[ツールボックス]ウィンドウは、この画面左側の[ツールボックス]をクリックすると開くことができる。[ツールボックス]ウィンドウ内には、利用可能なコントロール一覧が表示される。
ここでは、今回のアプリケーションで必要なコンポーネントを次のように配置する。
ユーザー名入力コンポーネント:TextBox
パスワード入力コンポーネント:TextBox
ログオンボタン:Button
認証結果:Label
コンポーネントを設定する
コントロールには、IDや名称、フォント サイズ、大きさ、色などさまざまな設定を行なえる。これらの設定のためには、画面右側に表示される [プロパティ]ウィンドウを利用する。ここでは、今回のアプリケーションで必要なコンポーネントのIDを下記のように設定する。
ユーザー名入力コンポーネント:UserNameTextBox
パスワード入力コンポーネント:UserPasswordTextBox
ログオンボタン:LogonButton
認証結果:ResultMessageLabel
ボタンがクリックされた時のコードを実装する
コントロールに対して必要な設定が完了した後は、アプリケーションのコードを記述する。画面上に配置されたログオンボタンをダブルクリックすると、Webフォームのロジッククラスが開かれて、ログオンボタンをクリックしたときに実行されるコードが追加される。
ここでは、LogonButtonがクリックされた時に、入力された文字で認証され、その結果が表示されるようなコードを実装する。認証された場合は、認証結果を青文字で、また認証されなかった場合は、認証結果を赤文字で表示する。
protected void LogonButton_Click(object sender, EventArgs e)
{
if (UserNameTextBox.Text == "User1" &&
UserPasswordTextBox.Text == "Password1")
{
ResultMessageLabel.Text = "ユーザー認証されました";
ResultMessageLabel.ForeColor = System.Drawing.Color.Blue;
}
else
{
ResultMessageLabel.Text = "ユーザー認証出来ません";
ResultMessageLabel.ForeColor = System.Drawing.Color.Red;
}
}
実行・デバック
イベントのコードの記述が完了したら、[Ctrl + F5] キーを押すか、[デバッグ]]メニューの [デバッグなしで開始]で、アプリケーションを実行させる。すると、Webアプリケーションがブラウザー上で実行される。LogonButtonをクリックすると、画面9や画面10のように表示され、記述したコードの処理結果が反映されていることを確認できる。
ここまで見ればわかるとおり、予想よりもかなり単純に思えるはずだ。ASP.NETのWebフォームを使うことで、今までのWeb開発とは異なり、HTTPやHTMLなどを気にすることなく開発することができる。この開発方法は、Windowsアプリケーション開発に似たものになる。
一方で、Visual Studio 2010からはASP.NET MVCにより、MVCパターンでの開発を正式にサポートする。両者を選択できるというのが大きなメリットといえるだろう。
(次ページ、AjaxやjQueryは簡単に使えるのか?)
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