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狙うはプロ級!? ニコン「D300S」で撮影スキルを鍛え直す 第6回

シャッタースピードを極めて写真に動きの演出を!

2010年05月27日 12時00分更新

文● 小林 伸

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シャッタースピード優先オートで撮ってみる

 シャッタースピード優先オートに設定するには、MODEボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを操作して「S」の表示が出るようにする。この設定にしておくことでユーザーがメインコマンドダイヤルでシャッタースピードを自由に選択して、そのシャッタースピードに対して適正露出を得るためにカメラが絞りを調整するオート機能が働くようになる。

急流くだりをしている船を被写体ブレを起さないように撮影するためにシャッタースピード優先オートで1/250秒に設定して撮影したもの

急流くだりをしている船を被写体ブレを起さないように撮影するため、「シャッタースピード優先オート」で1/250秒に設定して撮影したもの

 例えば、速い動きをする被写体を止める(止まっているように撮る)ためにはどのくらいのシャッタースピードが適しているのか? それは被写体の速度にもよるが、とりあえず1/250秒あたりから試してみるのがいいだろう。

 もちろんF1などのモータースポーツなどで動きを止めたいときなど、走っている場所(カーブなのかストレートなのか)などによっても変わるが、1/250秒では止まって写らない場合がある。

花の蜜を吸いにきたハチを撮影したもの。細かく動くハチの動きの速さに対応するため、「絞り優先オート」ではあったが速いシャッタースピードになるように絞りを開けていった。シャッタースピードが1/500秒で撮影できたのでハチの体の動きは止まっているが、羽の動きはぶれている。羽まで止めようとするなら、さらに速いシャッタースピードが必要になる

花の蜜を吸いにきたハチを撮影したもの。細かく動くハチの動きの速さに対応するため、「絞り優先オート」ではあったが速いシャッタースピードになるように絞りを開けていった。シャッタースピードが1/500秒で撮影できたのでハチの体の動きは止まっているが、羽の動きはぶれている。羽まで止めようとするなら、さらに速いシャッタースピードが必要になる

 そのような時はもっと速いシャッタースピードにしていこう。モータースポーツではなく、風景写真などでも風の吹いている条件で木の葉の動きを止めたり、野鳥の動きを止めたりとシャッタースピード優先オートの使い道は多種にわたる。

 速い動きを止めるだけでなく、動きや流れを表現するにも有効だ。例えば川の流れを表現するにはわざと遅いシャッターピードを選択して、川の流れや飛沫をぶらして撮るという方法もある。

左は1/320秒、右は1/13秒で川の流れを撮影したもの。さらに速いシャッタースピードにすれば細かい水飛沫はもっとしっかり止まるだろうし、遅くすればさらに水の流れはぶれて滑らかさがでてくる。ユーザーの求めるイメージによって設定するシャッタースピードは変わってくる

都電の動きを止めるために左の写真は1/250秒に設定して撮影

都電の動きを止めるために左の写真は1/250秒に設定して撮影

1/30秒で撮影。VR機能の付いたレンズのおかげで手ブレこそ起きていないが被写体自体はぶれてしまっている

1/30秒で撮影。VR機能の付いたレンズのおかげで手ブレこそ起きていないが被写体自体はぶれてしまっている

1/60秒と遅めではあるが、被写体の進行方向にあわせてカメラを振りながら撮影したため、被写体ブレは起こらず背景が流れるようにブレて写っている。このような撮影方法を「流し撮り」という。被写体の速さを表現したいときに使用する撮影方法である

1/60秒と遅めではあるが、被写体の進行方向にあわせてカメラを振りながら撮影したため、被写体ブレは起こらず背景が流れるようにブレて写っている。このような撮影方法を「流し撮り」という。被写体の速さを表現したいときに使用する撮影方法である

 被写体を止めるのかぶらすのか、ユーザーのイメージ次第にできる撮影モードがシャッタースピード優先オートである。

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